イギリス国旗を徹底分析!ユニオンジャックの6つの秘密

4年に一度開催されるサッカーワールドカップ。試合を観ていると、イギリスからの参加チームが「イギリス」ではなく「イングランド」になっていたり、チームを示す国旗がユニオンジャックではなかったりと、不思議に思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。今回は、デザインとしても大人気のイギリス国旗ユニオンジャックについて、イギリスのお国事情や歴史を交えてご紹介します。

 

イギリス国旗を徹底分析!ユニオンジャックの6つの秘密

 

1. ユニオンジャックの正式名称

世界中の人を魅了し続ける国イギリス。イギリスの国旗はみなさんもご存知の通り、ユニオンジャックです。ただ、ユニオンジャックは本来、国籍を示す船の旗、という意味です。そのため、ユニオンフラッグを正式名称とする説もありますが、どちらの名称も現在は正しいと言われています。(本記事内では日本でより浸透しているユニオンジャックを使用していきます)

 

2. イギリスにはユニオンジャック以外にも国旗がある

我々は通常イギリスと呼んでいますが、正式名称は「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」(英語名:United Kingdom of Great Britain and Northen Ireland)で、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つカントリー(非独立国)の集まりです。そしてそれぞれのカントリーが公用語、国旗を持っています。

グレートブリテン島の中心に位置するイングランドの首都はロンドン、公用語は英語、そして国旗はセント・ジョージ・クロスと呼ばれる白地に赤い十字の旗です。

 

ウェールズはグレートブリテン島の南西部に位置しており、首都はカーディフ、英語の他、ウェールズ語も公用語として認められています。そして国旗はア・ドライグ・ゴッホ(ウェールズ語で赤い竜の意味)と呼ばれ、白と緑の二色の旗の上に赤い竜が描かれています。

 

スコットランドはグレートブリテン島の北部に位置し、首都はエディンバラ、公用語は、英語の他、スコットランドゲール語とされています。そして国旗はセント・アンドリュースと呼ばれる青地に白のX十字の旗です。

 

北アイルランドはグレートブリテン島から海を挟んで西に位置するアイルランド島の北東部に位置しています。首都はベルファスト、英語の他、アイルランド語、アルスター・スコットランド語が公用語として認められています。なお、国旗に関しては、セント・パトリックスと呼ばれる白地に赤いX十字の旗が1782年の自治権を与えられたときの制定時に採用されていますが、実際に使用されたことはなく、セント・ジョージ・クロス(イングランドの旗)の上に、王冠と六角星と右手が描かれたものが使われています。

2014年ブラジルワールドカップでは、それぞれのカントリーでのFIFA(国際サッカー連盟)への加盟が認められており、今年出場していたのは、イングランドであり、そのため、イングランド代表と表示され、また国旗もセント・ジョージ・クロスが使用されました。

また、例えばスコットランド出身の人に、イギリス出身ですか?と聞くと必ずと言っていいほどスコットランド出身です、と訂正されます。それぞれのカントリー同士が仲が悪い、と言う訳ではありませんが、それぞれ自分の出身に誇りを持っています。

 

3. ユニオンジャックはイングランド、スコットランド、アイルランドの国旗が組み合わさってできたもの

ユニオンジャックはまず1606年のイングランド・スコットランド同君連合時代に初代ユニオンジャックが制定されました。こちらはイングランドとスコットランドの国旗が組み合わされたものです。その後、アイルランド王国が加わり、グレートブリテン及びアイルランド連合王国が設立された1801年にアイルランドの国旗(セント・パトリックス)が加わり、現在のユニオンジャックが作られました。なお、ウェールズは13世紀末という早い時期にイングランドに加わっていたため、ユニオンジャック制定時に意向が組み入れられることはありませんでしたが、ウェールズの象徴である赤い竜を取り込むべきという議論は未だ残っています。

 

4. 一部のイギリス連邦の国旗にもユニオンジャックは使われている

イギリス連邦とは、イギリスと、かつてイギリスの植民地であった独立国家から成る国家連合で、現在52カ国が加盟しています。かつて植民地だった国家は、独立時に独自の国旗を制定していますが、植民地時代の国旗には全ての国の旗にユニオンジャックが描かれていました。なお、現在でもオーストラリアやニュージーランドなどの国旗にはユニオンジャックが描かれており、また以前イギリス連邦に加盟していて現在は資格停止となっているフィジー共和国の国旗にもユニオンジャックが記載されています。

 

5. ユニオンジャックは上下左右対称ではない

ユニオンジャックは上下左右対称に見えますが、実は上下左右で赤の斜線部分が白の部分と赤の部分が互いに違っています。これはスコットランドとアイルランドが同位であることを示していると言われています。

 

6. ユニオンジャックを船上で使用するのは違法

ユニオンジャックは観光客のみならず、現地の人にも人気です。お土産品のみならず、ユニオンジャックをデザインしたものやモチーフにした洋服や小物を街のあちらこちらで見かけます。ただ、イギリスにはチャールズ1世時代に制定された「ユニオンジャックを国王の船以外で掲げてはいけない」という規定が今でも生きており、陸上でいくら使用しても問題はないですが、船、ボートで使用するのは違法とされています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
普段目にする機会の多いユニオンジャックにも、実はいろいろな歴史やお国事情が組み込まれています。ユニオンジャックをより深く理解することにより、更にイギリスへの興味を持っていただければと思います。

 

イギリス国旗を徹底分析!ユニオンジャックの6つの秘密

1. ユニオンジャックの正式名称
2. イギリスにはユニオンジャック以外にも国旗がある
3. ユニオンジャックはイングランド、スコットランド、アイルランドの国旗が組み合わさってできたもの
4. 一部のイギリス連邦の国旗にもユニオンジャックは使われている
5. ユニオンジャックは上下左右対称ではない
6. ユニオンジャックを船上で使用するのは違法


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