ロシア語を勉強するにあたって多くの人が最初にぶつかる壁は、キリル文字といわれるロシア語の文字です。でも残念ながら、文字を習得し、それを文字通り読めば通じるロシア語になるかといえば、そうではありません。今回は、いかにロシア語らしく発音するかの6つのコツをご紹介します。これらをおさえれば、あなたのロシア語がグッとネイティブ化するだけでなく、ロシア人の話すロシア語がグッと聞き取れるようになること間違いなしです。
ロシア語の発音をぐっとネイティブ化させる6つのコツ
1. アクセントのないOはAと発音する
これは外来語の数少ない例外を除くと、すべての場合にあてはまる非常に大きなポイントです。例えば、 “Хорошо(=「よい」の意)” の母音はすべて“O”ですが、アクセントのある最後の “O” 以外はすべて “A” と発音します。つまり “Харашо(ハラショー)”と読むわけです。
2. 労力は節約する
日本語でも「今日」は「きょぅ」とか、「そうです」は「そぉでs(最後の“u”は発音しない)」と、普通、全部の音をキッチリ発音しませんよね。ロシア語でも同じで全てをキッチリ発音しようとすると、かなりの労力が必要なだけでなく、いかにも外国人っぽい聞きづらい発音になってしまいます。たとえば、よく使われる単語で顕著な例でいうと、 “Сейчас(=今)” は文字通り「セイチャス」などと発音されることは非常に稀で、通常 “Щас(シャス)” と軽く発音されます。
3. 濁音の前の清音は濁音化する
日本人には少し不思議な気もしますが、ロシア人にはこの方が発音しやすいようですし、現実的にほぼ例外なくこの法則に沿って発音されます。例えば、 “сделать(=何かをやってしまう)”、 “сдать(=テストに合格する)” はそれぞれ “зделать(ズジェーラチ)”、 “здать(ズダチ)” と語頭の“С(=S)” が濁った音になり、 “З(=Z)” となります。ロシア人は無意識にこの音の濁音化をするので、実際正しい綴りがどちらか分からない、なんていう人もいるほどです。また、ロシア人が日本語を話していると、“そうです”は正しく発音しても、“そうですが”は“そうでずが”のように、この法則に従って無意識に清音を濁音化する現象が見受けられます。
4. RとLは区別する
英語でも発音で苦労する“R”と“L”、ロシア語にも “Р” と “Л” があります。英語の“R”に比べると、ロシア語の“Р”は巻き舌なので、わかりやすいことが多いです。ただ、アクセントのない“Р”は必ずしも巻き舌ではありません。また、 “Р” と “Л” はともにロシア語で使われる頻度の高い音なので、キチンと区別をしないと、 “красть(=盗む)” と “класть(=置く)” のように全く別の単語になってしまうことがあるので注意が必要です。
5. VとBは区別する
ひとつ前のポイントと同様、“V”と“B”、すなわち“В”と“Б”も区別したいところです。 “время(=時間)” と “бремя(=負担)”、前出の “Р” と “Л” の違いも踏まえると “вредно(=有害だ)” と “бледно(=真っ青だ)” みたいに、使われる頻度の多い単語で混乱が起こってしまいます。ちなみに他にも日本人に区別の難しい音は他にもあります。 “ш” と “щ” や、“и” と “й” など。でも、これらは上記の2つに比べれば、使われる頻度はかなり低いので、ご心配なく。
6. 単語ごとでなく、まとまりごとに発音する
英語や他のヨーロッパ言語でも似た現象がありますが、通常、ロシア語は単語ごとに発音されず、まとまりごとに続けて発音されます。例えば、 “в отеле(ホテルにて)” は “вотеле(ヴォテーレ)” と、まるきりひとつの単語のようになります。文字にすると一目瞭然、非常に簡単な内容でも、ロシア人の口から聞くと、何度聞き返しても知らない単語のように感じてしまう、ということが起こります。逆に “в・отеле(ヴ・オテーレ)” と発音すると、ロシア人の耳には非常に理解しづらく聞こえるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
発音というと、とても難しいものに感じがちですが、たった6つのポイントをおさえるだけで、あなたの話すロシア語がグッとネイティブに近いものになること間違いなしです。せっかくロシア語を勉強するわけですから、よりネイティブに近い発音になるよう日頃から気をつける事が大切です。楽しむ事を忘れずに継続して勉強していきましょう。
ロシア語の発音をぐっとネイティブ化させる6つのコツ
1. アクセントのないOはAと発音する
2. 労力は節約する
3. 濁音の前の清音は濁音化する
4. RとLは区別する
5. VとBは区別する
6. 単語ごとでなく、まとまりごとに発音する