ポーランド語で絶対に使ってはいけない超危険な単語20選

概してスラブ語派諸語は「超危険な単語」の宝庫です。今回は、スラブ諸語のうち西スラブ語群の一角を占めるポーランド語から、そうした単語や表現をアットランダムに拾い集めたものです。すでにポーランド語の学習を始めているあなたのために、危険度の高い単語だけでなく、若干危険度はあるものの実用性もある普通のスラングも集めてありますので参考にしてください。

 

ポーランド語で絶対に使ってはいけない超危険な単語20選

 

■罵り言葉

1. Kurwa![クールヴァ!]

ポーランド語を勉強する上で、使ってはいけないが必ず知っていなくてはならない単語。相手を侮蔑するときに使います。あえて対応する日本語を挙げれば「このクソ野郎!」といったところでしょうが、実際の効果ははるかにこの日本語表現を凌ぎます。ポーランド語だけでなく、スラブ諸語でほぼ共通の単語です。

ポーランドがソ連圏に入っていた時代にロシア語の影響を受けて入ってきた単語の可能性もゼロとは言えませんが、もともとスラブ諸語で共通の単語と考えたほうが妥当でしょう。本来の意味は「娼婦」です。最近は大学生でも、意味のない間投詞として会話の中で使うケースがあるので、つられて使うことがないように気をつけましょう。

ロシア語の俗語辞典にある当該単語の説明では、「この単語を使って侮辱した後は、通常つかみ合いの喧嘩になり、しばしば刃物を使った殺傷沙汰に及ぶ」とあります。おお、怖い!

 

2. Kurwa + xxx! [クールヴァ xxx!]

Kurwa+単語で表現する場合ですが、Kurwaの後ろに入れる単語の例は、記事最後の「まとめ」の項に書いておきますのでそちらを参照してください。1.で紹介した単語を使ったヴァリエーションの一つ。最大級の罵り言葉です。Kurwaと2つ目の単語の間に、英文法で言う所有代名詞(Your/hisなど)を入れることもあります。

ロシア語では類似の表現は見当たらないようですが、チェコ語で同様の表現を耳にしたことがあります。最初の単語を単独で使った1.の場合と同様、確実な効果が予想されますので、自分では使わず知識に留めておきましょう。どうしても使いたくなったら(そういう時ってありますよね!)、心の中だけで思いっきり叫びましょう。

 

3. chuj [フーイ]

これも使うことは殆どないが必ず知っておかなければならない基本的な罵り言葉の一つです。派生語がたくさんあります。ロシア語にもほぼ同等の表現があるのでスラブ諸語でほぼ共通の単語ではないでしょうか。元々は男性の生殖器を意味する単語ですが、様々な派生語が作られていく過程で本来の意味が薄れていったようです。

ポーランドでの話ではないですがごく最近の話題で、ウクライナの旧与党地域党が大統領選の統一候補を党大会で選出する過程で対立候補から強引に降ろされたチヒプコ議員が、chuja [フーヤ] (賛成できない、というほどの意)と思われる単語を口にしたそうです。いずれにしても、あなたがこの単語もしくはその派生語を自分で使うことは殆どないでしょうから、この項はこのくらいにしておきましょう。

 

4. cholera jasna![ホレラ・ヤースナ!]

中心になっているcholera [ホレラ] という単語の本来の意味は伝染病のコレラ。直訳はほとんど意味をなさないので意訳すれば「ちくしょう!」が妥当なところでしょうか。

誰かに投げかける表現と言うよりは、ひとりごとのようにして口にされることが多いです。ヴァリエーションはいろいろありますがよく耳にするのは、cholera wie [ホレラ・ヴェ] 。単独で訳してもなかなか意が伝わらないので、次の例で雰囲気を掴んでください。

(例)
W tym sklepie, cholera wie, co kupisz.
[フ・ティム・スクレーピェ・ホレラ・ヴェ・ツォ・クーピシ] 「この店ではどんな品物が売られているか分かったものではない。」

 

5. cycki [ツィツキ]

乳房の俗称。あえて日本語にすれば幼児語のオッパイに近いでしょうか。単数形はcycek[ツィツェク]ですが実際に使用されることは稀です。乳房という意味では通常はpierś [ピェルシ] という単語を使います。

真面目なTV生番組に出演していたある日本人が、途中でこの単語を使った途端に一座が爆笑したという実例があります。ヴァリエーションで胸の大きい若い女性のことをcytatka [ツィタトゥカ] と言います。

 

6. pokochać się [ポコーハチ・シェン]

辞書の出版ではポーランド最大のPWN社で発行されている辞典でも、「相互に愛を感じる」といった抽象的な語義しか出ていませんが、「愛」は「愛」でもむしろ男女のいとなみ、行為を主に意味する動詞です。ごく限定された場面でしか使えませんが、とても重要な単語なので覚えておきましょう。

 

■その他覚えておきたいスラング

具体的に危険が発生する事はありませんが、例えば、児童が学校で使うスラングを大人が使えばポーランド人でも違和感を感じさせますよね。同じ単語を外国人が使えばもっとおかしな雰囲気を醸し出すはずです。

ただし、これらの単語のいくつかは将来社会的に認められた単語になっていく可能性もあります。知っておいて損はないでしょう。いくつか例を挙げておきます。

7. baba [バーバ]

女性 kobieta [コビェータ] の俗語。

 

8. kumpel [クムペル]

学校友達 kolega [コレガ] の俗語。女性形は、kumpelka。

 

9. stara [スターラ]

母親 matka [マートゥカ] の俗語。

 

10. gościu [ゴーシチュ]

男性 mężczyzna [メンシチズナ] の俗語。

 

11. kibel [キーベル] または klop [クロップ]

トイレ ubikacja [ウビカーツヤ] の俗語。

 

12. fajki [ファイキ]

タバコ papierosy [パピェロースィ] の俗語。

 

13. kasa [カッサ]

お金 pieniądze [ピェニョンゼ] の俗語。

 

14. forsa [フォルサ]

上記同様お金 pieniądze [ピェニョンゼ] の俗語。

 

15. łapy [ワープィ]

手 ręce [レンツェ] の俗語。もともと動物などの「おてて」を意味した単語。

 

16. ciuchy [チューフィ]

衣服 ubrania [ウブラーニア] の俗語。

 

17. obciach [オプチャフ] または lipa [リーパ]

恥 wstyd [フスティド] の俗語。

 

18. gapić się [ガーピチ・シェン]

見る patrzeć [パッチシチ] という動詞の俗語。

 

19. czaić [チャーイチ]

分かる rozumieć [ロズーミェチ] という動詞の俗語。

 

20. wyluzować się [ヴィルゾヴァチ・シェン]

リラックスする uspokoić się [ウスポコーイチ・シェン] という動詞の俗語。

 

まとめ

いかがでしたか?
2. で紹介した罵り言葉の2つめの単語は「mać」です。本来の意味は「母、母親」。奥が深いスラブ諸語の罵り言葉の世界に一旦のめり込むとなかなか抜けられません。

この記事では、使ってはいけない単語を中心にご紹介しました。もしかしたら、この記事を手始めにポーランド語や他のスラブ諸語の「禁語」の世界をさらに極めようという気持ちになられたかも知れませんね。

 

ポーランド語で絶対に使ってはいけない超危険な単語20選

1. Kurwa![クールヴァ!]

2. Kurwa + xxx! [クールヴァ xxx!]

3. chuj [フーイ]

4. cholera jasna![ホレラ・ヤースナ!]

5. cycki [ツィツキ]

6. pokochać się [ポコーハチ・シェン]

7. baba [バーバ]

8. kumpel [クムペル]

9. stara [スターラ]

10. gościu [ゴーシチュ]

11. kibel [キーベル] または klop [クロップ]

12. fajki [ファイキ]

13. kasa [カッサ]

14. forsa [フォルサ]

15. łapy [ワープィ]

16. ciuchy [チューフィ]

17. obciach [オプチャフ] または lipa [リーパ]

18. gapić się [ガーピチ・シェン]

19. czaić [チャーイチ]

20. wyluzować się [ヴィルゾヴァチ・シェン]

 


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