マレーシア人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

マレーシア人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

(Lan Rasso)

あなたは、マレーシア人の名前と聞いてどんなものをイメージしますか?マレーシアは、マレー系、中華系、インド系、先住民族など、様々な民族が一様に暮らす多民族国家。一言で「マレーシア人の名前」と言っても多岐に渡ります。

とは言え、民族によって命名ルールの異なるマレーシア人の名前は、ポイントさえ押さえてしまえば名前を聞いただけで相手の民族や宗教が解かるため、初対面でも相手の文化や宗教に合わせたコミュニケーションが出来、大変便利。初対面で相手の文化や宗教に配慮することが出来れば大変印象が良く、相手との距離もすぐさまぐっと縮まることでしょう。

そこで今回は、マレーシア人の友人を数多く持つ筆者が、マレーシア人の名前について7つのポイントにまとめてご紹介します。

 

マレーシア人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

 

1. マレー系の名前

そのほとんどがイスラム教徒であるマレー系マレーシア人の名前にはイスラム式が採用されています。イスラム式の命名ルールは「自分の名前 + bin(~の息子の)あるいはbinti(~の娘の) + 父親の名前」というもので、姓はありません。また、日本のように結婚後に女性が改名することもありません。

例)
自分の名前: Noor Neelofa
性別: 女性
父親の名前: Mohd Noor
⇒正式な名前は、Noor Neelofa binti Mohd Noor

ちなみに、イスラム教には「アッラーの99の美名」と呼ばれる、コーランなどで示されている神(アッラー)が持つ様々な性質を表わす名があり、マレー系マレーシア人の名前もこれにちなんで名づけられることが多いようです。

 

2. 中華系の名前

その多くが南中国からの移民というルーツを持つ中華系マレーシア人の名前は、やはり南中国に由来します。中国では、中国本土に漢字2文字の姓名が多い一方、台湾や香港、広東省などの南中国には漢字3文字の姓名が多いという特徴があります。尚、日本のように結婚後に女性が改名することはありません。

筆者の友人に、劉貴福(英語表記: Kwee Fook Liew)という中華系マレーシア人がいますが、彼の名前も例に漏れず、劉が姓、貴福が名となっています。

 

3. インド系の名前

インド系マレーシア人の名前は、その多くが「自分の名前 + A/L(~の息子の)あるいはA/P(~の娘の) + 父親の名前」という形で成り、イスラム式と大変よく似ています。ちなみに、「~の息子の」を表すA/Lはマレー語のanak lelaki (息子、男の子)、「~の娘の」を表すA/Pはマレー語のanak perempuan (娘、女の子)の略号です。尚、インド系マレーシア人も姓を持ちません。

例)
自分の名前: Hiresh
性別: 男性
父親の名前: Haridas
⇒正式な名前は、Hiresh A L Haridas(略記: H. Hiresh)

「自分の名前」は、男性であればヒンドゥー教の神、女性であればヒンドゥー教の女神から名前をもらうことが圧倒的に多く、その他、縁起の良い言葉や強さ、勇ましさ、あるいは、美しさや愛らしさを表す名前も人気のようです。

 

4. 先住民族の名前

先住民族のほとんどは姓を持たず、そのほとんどがキリスト教徒ながらも、大抵はイスラム式に則って父親の名前を姓にし、洗礼名も名前に使いません。

人口の約過半数が先住民族である東マレーシア(ボルネオ島北部)で最大の先住民族・カダザン=ドゥスン族の出身にして、マレーシアで大変有名な女性シンガーでもあるStacyの正式な名前はStracie Angie Anamですが、Anamは父親の名前です。

イスラム式を取り入れながらもキリスト教や英語圏の影響を受け、大変シンプルな名前なのが特徴です。

 

5. 2016年赤ちゃん命名ランキングベスト5

各民族の命名ルールが解かったところで、次は2016年にマレーシアで人気だった名前を見ていきましょう!

<男の子編>
1位:Mohamed(モハメド)
2位:Ahmad(アフマド)
3位:Aidan(アイダン)
4位:Adam(アダム)
5位:Firash(フィラス)

<女の子編>
1位:Nor(ノル)
2位:Aishah(アイシャ)
3位:Sophia(ソフィア)
4位:Maryam(マルヤム)
5位:Siti(シティ)

MohamedやNorなど、マレーシア、あるいは、ムスリムの伝統的な名前が上位に来る一方、AidanやSophiaなどの多文化的な名前も近年好まれる傾向にあるようです。

 

6. ニックネームの付け方

決まったルールは無く、各人呼びやすいように呼びますが、筆者の経験上、名前の後ろから取ることが多いように思います。

例えば、筆者の友人であるマレー系マレーシア人のNurrul Khaliesahは後ろを取ってLisaとしています。しかし、Muhammad Khairulなど後ろから取るとかえって呼びづらくなる場合はKhaiと、前から取る場合もあります。

また、中華系の若い世代は西欧風の名(英名)を持っている人が多く(但し身分証には掲載されない)、例えば、中華系マレーシア人シンガーである女性Tan Su Meiは本名の前に英名Elizabethを付けてElizabeth Tanと名乗っています。お互いに英名で呼び合うのは若い世代に多いですね。

 

7. 自己紹介の表現

せっかくなので、「名前」にちなんでマレー語の自己紹介の表現をご紹介します。

Helo, saya ○○. / ヘロ, サユ ○○
(こんにちは、私は○○です。)

Saya orang Jepun. / サユ オラン ジュプン
(私は日本人です。)

Saya datang dari Tokyo. / サユ ダタン ダリ トウキョウ
(東京から来ました。)

Siapa nama awak? / シアパ ナマ アワッ?
(あなたのお名前は?)

マレー語にもSelamat berkenalanという「初めまして」に当たる表現はあるのですが、意外と使いません。HeloやApa khabar?等の挨拶で済ませてしまったり、Nice to meet youと英語で表現することのほうが多いように思います。

また、英語でもMy name is~と始める人がいますが、実際のところI’m~をよく使い、My name is~はあまり使いません。これはマレー語でも同様です。

 

まとめ

いかがでしたか?
日本では当たり前に在る「姓」ですが、マレーシアではほとんどの人が持っていないことに驚かれたのではないでしょうか。近年多文化的な名前も増えつつあるマレーシアですが、民族によって異なる命名ルールは変わりません。ポイントさえ押さえれば、初対面でも相手の文化や宗教に合わせたコミュニケーションが出来ること間違いなし!ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

マレーシア人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

1. マレー系の名前

2. 中華系の名前

3. インド系の名前

4. 先住民族の名前

5. 2016年赤ちゃん命名ランキングベスト5

6. ニックネームの付け方

7. 自己紹介の表現

 


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