ドイツ映画が面白い!独国イズム凝縮のおすすめ10作品

ドイツ映画が面白い!独国イズム凝縮のおすすめ10作品

ドイツの映画と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?「ドイツ」と言えば論理的で地味というイメージを持っている人が多いかもしれません。確かにドイツ映画に華やかさはあまりありませんが、心に訴えかけてくるような素晴らしい演出を手掛けているものが数多く存在します。また、ナチスや東西分裂といったドイツの特殊な歴史をもとにした映画も作られていて、教科書だけではわからない事実を知る手がかりにもなっています。そこで今回は、あなたにぜひ見てもらいたいドイツ映画を厳選して10作品ご紹介します。

 

ドイツ映画が面白い!独国イズム凝縮のおすすめ10作品

 

1. グッバイ、レーニン!(原題: Good Bye Lenin!)

2003年に公開されたこの「グッバイ・レーニン」と言えば、ドイツ人なら誰しもが知っていると言っていいほど有名な映画です。熱狂的社会主義者の母親を持つ主人公アレックスが、ベルリンの壁崩壊に伴うドイツ再統一を隠し通そうと東奔西走するお話です。

東西ベルリンという重いテーマに反し、比較的明るいリズムで進んでいくのがこの映画の魅力です。旧東ドイツの暮らしと、壁崩壊後どのように東ベルリンが変化したのか知りたい人にはまさにぴったりの作品です。アレックスの恋人役の女優、チュルパン・ハマートヴァの愛らしさにも目が離せません。

 

2. 善き人のためのソナタ(原題: Das Leben der Anderen)

あなたはベルリンの壁崩壊前に東ドイツで暗躍していた秘密警察、シュタージ(Stasi:Staatssicherheitsdienst)を知っていますか?シュタージは東ドイツ国民に紛れながら人々の生活を監視し、必要に応じて政府機関に密告する仕事をしていました。2006年公開のこの「善き人のためのソナタ」は、そんなシュタージで働いていた男性の物語です。この映画では、旧東ドイツがいかに自由のない国であったか、国民が常に気を張っていなければならない様子がよくわかります。ドイツが誇る実力派人気俳優、セバスティアン・コッホの演技も見ものです。

 

3. 飛ぶ教室(原題: Das fliegende Klassenzimmer)

世界的に有名なドイツの文豪エーリッヒ・ケストナーの作品「飛ぶ教室」の映画です。ケストナーは日本で人気の劇団四季ミュージカルの原作にもなった「ふたりのロッテ」の著者でもあります。

この「飛ぶ教室」2003年公開版はライプツィヒを舞台に、聖トーマス教会合唱団の子供たちが上級生や先生、それぞれにぶつかり合い成長していくという物語です。原作との変更点は多くありますが、ケストナー作品にある「子供を子供扱いしない」という点だけは決して崩さず、原作重視で作られています。強くたくましい自立心を持つドイツの現代っ子に興味のある方には、この2003年版「飛ぶ教室」を強くおすすめします。

 

4. ラン・ローラ・ラン(原題: Lora rennt)

「グッバイ・レーニン」に並び、この1998年ドイツ公開の「ラン・ローラ・ラン」は非常に知名度の高い映画です。主人公であるローラが、ボスの10万マルクを失くした恋人マニのもとへお金を運ぶためにベルリン中を走り回る、というお話です。

ローラが赤髪を振り乱しただひたすらに走るという内容なのですが、早送りやアニメーションなど、視聴者が飽きない演出が凝らされています。さらにこの「ラン・ローラ・ラン」が特徴的なのは、失敗するとまるでリセットでもしたかのように最初の時間に戻るという点です。最近日本でもよく見られる、いわゆるループ物の一種とも言える作品です。

 

5. ドレスデン 運命の日(原題: Dresden)

第二次世界大戦において大爆撃を受け「ヨーロッパの広島」とも呼ばれるドイツの古都ドレスデン。この映画ではそんな1945年のドレスデンを舞台に、イギリス兵とドイツ人女性が恋に落ちるという物語が描かれています。この作品は2006年にドイツのテレビで放映された後1本のフィルムにまとめられ、日本では2007年に公開されました。

ラブストーリーと言うよりも、ナチス政権下のドレスデンがどのような状況であったか、2月14日に落とされた絨毯爆撃がいかに壊滅的な物であったかを知ることができます。

 

6. 白バラの祈り ゾフィー・ショル 最期の日々(原題:Sophie Scholl – Die letzten Tage)

ドイツで2005年に公開された映画です。ナチス政権への抵抗運動をしていたミュンヘン大学の女学生、ゾフィー・ショルをもとに映像化されました。

ゾフィーはナチスの抑圧的な働きに不審を抱き、兄ハンスとともに反ナチス組織「白バラ」に参加します。ある時ゾフィーは兄と戦争の早期終結に関するビラを大学内にばらまき、人々に呼び掛けようと試みました。しかしそれを大学職員に見つかり、彼女は兄とともに逮捕され処刑されてしまうという、本当にあった悲劇を描いた物語です。ゾフィーは逮捕された後も、最後まで人間の権利などを裁判で訴え続けたと言われています。ナチスの犠牲になった「白バラ」メンバーの信念を、次世代の私たちに伝えてくれる映画です。

 

7. 点子ちゃんとアントン(原題: Pünktchen und Anton)

こちらも「飛ぶ教室」と同じくエーリッヒ・ケストナーの作品「点子ちゃんとアントン」をもとに作られた映画です。お金持ちだけれど親が忙しく寂しい思いを抱えるルイーゼ、通称点子ちゃんと、貧しくも病気がちの母を支えながら生きるアントンの、仲良し2人をめぐる物語。点子ちゃんとアントンの大人に負けない心の強さと、飛び跳ねる2人のキラキラして可愛い映像に、あなたも目を奪われること間違いなしです。

 

8. ベルリン 天使の詩(原題: Der Himmel über Berlin)

1987年公開、フランス・西ドイツの合作映画です。人の心を聞くことのできる天使ダミエルが、東西に分かれたベルリンで人間の女性マリオンに恋します。しかしこの恋を成就させるには、ダミエルは人間にならなければなりません。永遠の命を持つ天使である彼が人間になるという事は、いつか死ぬということになり迷います。

モノクロとカラーの世界を非常にうまく使い分けた、まさに映像技術の屈指とも言える素晴らしい作品です。この映像が映し出す人間が生きるということの美しさに、胸を震わせずにはいられません。

 

9. ヒトラー 最期の12日間(原題: Der Untergang)

2004年にドイツで公開されました。主役のヒトラーは「ベルリン 天使の詩」でも主演したブルーノ・ガンツです。1945年終戦間際のベルリンを舞台に、ヒトラーが地下壕にこもった最期の日々が描かれています。

ヒトラーを中心にすることで、ナチスに関わった人々のドラマチックな最後や、これまで公にされなかったベルリン市街戦でのソ連軍による戦争犯罪と言ったシーンが盛り込まれています。

 

10. 名もなきアフリカの地で(原題: Nirgendwo in Afrika)

ドイツでは2001年に公開された、シュテファニー・ツヴァイクの伝記をもとにした作品です。ナチスに迫害され海を渡りアフリカへ移住したユダヤ人一家レドリッヒ家が描かれています。

第二次大戦中ヨーロッパに残りナチスの被害に遭ったユダヤ人は多く映画化されていますが、移住先で苦悩するユダヤ人を描いた映画はこの映画がはじめてなのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたか?
ドイツ映画は演出にブレがなく、最初から最後まで見入ってしまうものばかりです。あなたもドイツ映画を通じて、ドイツの映像技術はもちろん、ドイツの歴史やドイツ人の考え方にふれてみませんか?映画を通じて、今まであなたの知らなかったドイツが見えてくるかもしれませんよ。

 

ドイツ映画が面白い!独国イズム凝縮のおすすめ10作品

1. グッバイ、レーニン!(原題: Good Bye Lenin!)
2. 善き人のためのソナタ(原題: Das Leben der Anderen)
3. 飛ぶ教室(原題: Das fliegende Klassenzimmer)
4. ラン・ローラ・ラン(原題: Lora rennt)
5. ドレスデン 運命の日(原題: Dresden)
6. 白バラの祈り ゾフィー・ショル 最期の日々(原題:Sophie Scholl – Die letzten Tage)
7. 点子ちゃんとアントン(原題: Pünktchen und Anton)
8. ベルリン 天使の詩(原題: Der Himmel über Berlin)
9. ヒトラー 最期の12日間(原題: Der Untergang)
10. 名もなきアフリカの地で(原題: Nirgendwo in Afrika)


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