オーストラリアの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

(flickr By sv1ambo)

ある日突然やってくる葬式・葬儀。参列する際のマナーだけは常識として知っておくのが理想ですが、実はあやふやな人は多いのではないでしょうか?日本でも大変なのに、それが海外でとなればなおさら。今回は、もしオーストラリアの葬式・葬儀に招かれた時、どう振舞えばいいのかをご紹介します。

 

オーストラリアの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

 

1. まず事前確認を

オーストラリアは多民族国家のため、葬儀といっても故人の方の宗教・文化によって、スタイルは大きく異なります。ですので、まず、故人がどういう宗教・文化背景にあるのか、どの形式で葬儀が執り行われるのかをまず友人・知人の方に確認した上で、順次、必要なものを準備していきます。

 

2. 参列までの流れ

オーストラリアで最も多いのはキリスト教系の葬儀なので、ここではその大まかな流れをご紹介します。まず葬儀がごく身内に限る式とされていない限り、故人の知り合いであれば誰でも参列は可能です。その際、事前の参列の連絡は通常必要ありません。キリスト教の場合は、葬儀は故人の通っていた教会、またはヒューネラル・パーラーといわれる斎場で行われることが多いですが、いずれも日本のように通夜はなく、葬式のみが執り行われます。

まず会場に入ったら、故人の遺族にお悔やみを言いましょう。その場合、”My sincere condolences.”(お悔やみ申し上げます)や”I’m very sorry for your loss.”(心よりお悔やみ申し上げます)などと簡潔に伝えるようにしましょう。 実際の式では故人の棺の傍で、壇上から故人の紹介、遺族や牧師などからの弔辞、故人が好きだった曲の演奏、写真スライドショーなどがあった後、全員で出棺を見送る、という流れです。鳥や風船、シャボン玉などを空にはなす場合もあります。その後、式場の近くで軽食などと一緒に、参列者と遺族が語り合う場が設けられます。

 

3. 服装はお任せ

服装については日本の葬儀ほど厳格でなく、そもそもいわゆる喪服、というものがありません。故人が目上の方などで大勢が集まる厳格な式の場合、男性なら黒またはダークカラーの無地のスーツに同色のネクタイ、女性も同じ色のスーツまたはワンピースなどのフォーマルが望ましいとされますが、基本的にその人なりのアレンジを加えて構いません。例えば黒い服であればジャケットなしでシャツなどでも構いませんし、女性では柄の入った袖なしのワンピースなどを着る人もいます。アクセサリーもパール以外の貴金属をつけるのも自由ですし、ストッキングも黒である必要はありません。帽子(女性のみ)、サングラス(男女共)は日本と違って失礼にあたらないので、自由に見に付けられます。

学生の場合は基本的に制服を着ることが多いですが、これもケースバイケースでしょう。式がごく身内や近い友人・知人だけの場合はさらにカジュアルで自由な色の服装で参列することもできます。但し、もしあなたが遺族である場合は、参列者よりもフォーマルな服装が望まれることを忘れずに。いずれの場合も、きちんと手入れされた清潔な服装であることが大前提です。くれぐれも清潔感には気を配りましょう。また、時には遺族から故人の好きだった色の服を身に付けてほしい、など特別なリクエストが来る場合があるので、その時は忘れずにその色のものを着ていきましょう。ちなみに、日本の数珠にあたるような、参列者が必ず持参すべき葬儀で使われるものはありません。

 

4. 香典はなし

オーストラリアには香典に該当する習慣はないので、何も用意する必要はありません。もしどうしても贈りものをしたい場合は、代わりに花やカードなどを葬儀に持参することはできますが、その際、あまり派手でない色を選ぶようにしましょう。また最近では、遺族から、花などの代わりに故人の興味があった分野や活躍した分野に関する慈善団体に寄付してほしい、とリクエストが来ることもあります。

例えば故人が女性であれば、マイノリティの女性支援系の慈善団体、犯罪被害者の場合は、犯罪被害者を支えるための慈善団体、故人が亡くなった病気の研究開発系慈善団体などです。そのために遺族が新たに故人の名前を掲げた慈善団体を立ち挙げることもあります。

 

5. 参列する時の態度

葬儀に参列する際、無理に悲しい表情を作る必要はありませんが、故人や遺族に失礼がないよう、常識の範囲内で、節度ある態度で臨みましょう。式の後はあまり長居せず、遺族と話をしたら、その場を去りましょう。また式場入口で渡される花を直接棺に献花したり、花がない時でも棺の蓋が開いている場合は故人の顔を拝見して最後のお別れを言うこともできます。順番が来たら、簡潔に自分の気持ちを伝え、次の人へ譲りましょう。なお、もし式場で分からないことがあれば、遺族ではなく、その場にいる葬儀責任者へ問い合わせるとよいでしょう。

 

6. ユーモアを忘れない

日本ではあまり見られないことですが、オーストラリアの弔辞では、故人に関する面白いエピソードを話す人もいます。その際、葬儀だからと堅く構えず、素直に笑ってもいいのが大らかなオーストラリアらしいところ。悲しいだけの葬儀よりも、一緒に過ごした楽しい時があったことを忘れないで欲しい、という、故人に対する温かな愛情が伝わってくる、いい習慣ですよね。

 

まとめ

いかがでしたか?
日本のやり方と似ているところもあれば、大きく違うところもあるのがオーストラリアの葬儀。ただ、ぐっとカジュアルな式になるからこそ、故人や遺族へ敬意を示すための最低限のマナーを忘れずにいたいものですね。

 

オーストラリアの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

1. まず事前確認を
2. 参列までの流れ
3. 服装はお任せ
4. 香典はなし
5. 参列する時の態度
6. ユーモアを忘れない

 


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