ギリシャの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

ギリシャの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

(Randy Peters)

もともと頻繁に行くことのない葬式・葬儀。日本ではマナーを心得ていても外国で会葬するとなるとマナーの違いが気になります。ギリシャのように宗教もしきたりも違う国で急な知らせとなればなおさらです。

そもそもギリシャでの葬式がどのように執り行われるのかすらも分からなくて当然です。しかしもしものときに困らないため、失礼にならないためにも最低限の知識は頭にいれておきたいものです。そこで今回は、ギリシャでの一般的な葬儀の形式、参列者として覚えておきたいマナーや服装、遺族にかけるお悔みの言葉などを説明したいと思います

 

ギリシャの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

 

1. 形式

国教がギリシャ正教(キリスト東方正教)であるギリシャでは、ほとんどの場合教会で葬式が行われた後墓へ埋葬されます。火葬は宗教上禁じられています。故人がユダヤ教やカトリックであった場合は都市にあるそれぞれの宗教の墓場に埋葬されます。その他の場合は式を行わずに埋葬されます。

 

2. 葬儀の流れ

地方では伝統的な葬儀が行われます。まず教会の鐘が悲しげに鳴り響き、誰かが亡くなった事を町中に知らせます。遺骸は葬儀のときまで故人の自宅に保管され、葬儀の時に教会まで運ばれます。式は司祭によって行われます。棺の蓋は開いた状態で、一人ひとり故人の額にキスをして故人に最後の別れを告げるのが習慣です。抵抗がある場合はしなくてもかまいません。その後棺は墓地へ運ばれ埋葬の儀式が行われます。埋葬の後は遺族の家などでコーヒーやお菓子がふるまわれます。「κόλυβα / コリヴァ」と呼ばれる大麦とナッツ・ドライフルーツとスパイスを合わせたお菓子がふるまわれるのも特徴です。その後親戚や親しい友人を交えて食事をとる場合もあります。葬儀の40日後には四十日忌としてまた遺族の家などでコーヒーとお菓子がふるまわれます。

葬儀の形式は都市と地方でかなり異なります。都市では葬儀屋が遺体の保管から式の準備までを執り行うサービスも存在し、棺の蓋は閉められています。それ以外にも故人や遺族の意思で蓋が閉めてある場合もあります。

 

3. 服装

スーツや喪服を着る必要はありませんがやはり色は黒が無難でしょう。白や露出の多い服などは避けます。旅行中でカジュアルな服しかなくても、黒や紺などの暗い色を身に着ければ問題ありません。派手なアクセサリーなどは控えたほうがいいですが、貴金属を身に着けてはいけないなどのルールはありません。

 

4. 香典

葬儀の場で現金を渡す習慣はありませんが、「στεφάνια / ステファニア」と呼ばれる花のリースを遺族に送ることがあります。リースにつけるリボンの色は故人が年配の場合は紫、若い場合は白いリボンをつけるのが一般的です。遺族の意思でステファニアの代わりに遺族が希望するチャリティに寄付をする場合もあります。

 

5. お悔みの言葉

遺族にかけるお悔みの言葉のなかでももっとも一般的なものを紹介します。

「Ζωή σε σας / ゾイ・セ・サス」
「(故人は逝ってしまったけれど)あなたは長生きしてください」という意味です。

「Συλλυπητήρια / シリピティリア
「お悔み」のことを指します。同時にこの一言で「お悔み申し上げます」という意味です。Τα συλλυπητήριά μου/タ・シリピティリア・ムとも言います。

「Να ζήσετε να τον / την θυμόσαστε / ナ・ジセテ・ナ・トン(ティン)・シモサステ」
「故人を記憶にとどめておくためにも、あなたたちは長生きしてください」という意味です。故人が男性の場合はトン、女性の場合はティンです。

 

6. 地域によるしきたりの違い

ギリシャでは地域によって葬式のしきたりがだいぶ異なります。例えば棺の蓋が閉まっている都会での葬儀では故人の額にキスするなどありえません。年配の女性が葬儀で黒いスカーフを頭に巻く地域もあれば、女性は髪をおろしたままにする地域もあります。棺が教会へ運ばれる前に故人の自宅に集い、「μοιρολόγια / ミロロギア」と呼ばれるレクイエムを歌うこともあります。式の後に町中の人に食事がふるまわれる地域もあります。都市では日曜日に葬儀が行われることはありませんが、地方では行われます。

 

まとめ

いかがでしたか?
ギリシャと日本の葬式での一番大きな違いはやはり宗教の違いからくるものです。服装やマナーといった点ではギリシャの葬式はよりルールが少なく形式ばらない印象を受けます。紹介した通り地域や個人の意思により葬儀の流れも異なるので、できるならば葬式の前に聞いておくといいでしょう。もっとも、葬式は故人に別れを告げ遺族を労わる機会だということを頭に入れながら行動するのが一番重要なことです。日本の葬式と同様、常識の範囲で周りの人がどうしているかをうかがいながら慎ましく行動することを心掛けていれば問題はありません。突然の訃報に慌てないようにこの情報を役立ててくださいね。

 

ギリシャの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

1. 形式
2. 葬儀の流れ
3. 服装
4. 香典
5. お悔みの言葉
6. 地域によるしきたりの違い

 


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