ギリシャ国旗を徹底分析！国旗が持つ6つの秘密とは？

(mendhak)

どの国の国旗とも似ていないギリシャの国旗。爽やかな青と白のコントラストがきれいなギリシャの国旗はエーゲ海の海を反映しているようで結構インパクトがあると思います。その国旗に隠された意味をあなたはご存知ですか？今回はギリシャ国旗の歴史や国旗にまつわる豆知識を紹介したいと思います。

ギリシャ国旗を徹底分析！国旗が持つ6つの秘密とは？

1. 国旗の制定

現在知られているギリシャの国旗が初めて使われたのは1822年のこと。オスマン帝国からの独立革命を主導した指導者たちが初めて開いた集会で掲げられたのがこの旗でした。ビザンチン帝国時代そしてオスマン帝国に支配されていた時期を通してギリシャ人または宗教を象徴する旗もありましたが、独立革命と同時に作られたこの国旗は国家としてのギリシャ誕生に深く連結しているため、ギリシャ人の愛国心と誇りの象徴になっていると言えます。商船旗と軍艦旗も国旗と同一のものが使われます。
ギリシャでもう一つよく見かける旗があります。黄色に黒い双頭の鷲が描かれた旗です。

こちらは古代から存在するデザインで、東ローマ帝国時代にキリスト東方正教のエンブレムとして継承されて以来、ギリシャ正教の旗として親しまれています。

2. ストライプと十字架

(Trine Juel)

ギリシャ国旗には９つの青と白の同幅のストライプ、カントンと呼ばれる左上の部分は青ベースに白い十字架が施されています。縦と横の比率は２：３で、一番上と一番下のストライプは必ず青です。ギリシャではγαλανόλευκη/ガラノレフキ、空色と白の愛称で親しまれています。十字架は国教であるギリシャ東方正教をらわしています。

3. 自由か死か

９つのストライプの意味には諸説があります。一般的に知られているのは、独立戦争時のモットーであった「自由か死か」、Ελευθερία ή Θάνατος/エレフテリア・イ・サナトスの9音節に由来しているという説です。５つの青いストライプがΕλευθερίαの5音節、４つの白いストライプがΘάνατοςの4音節の合わせて9音節になります。また、９つのストライプはΕλευθερίαの文字数にちなんでいるという説もあります。他にもギリシャ神話で文芸を司る９人の女神ムーサからとった数字だという学説もあります。

4. 色が持つ意味

青色は空と海、白は雲と波を意味していると言われていますが、その起源は謎に包まれたままです。エーゲ海の島々で人々がよく着ていた服の色である、女神アテナに纏わる色である、アレクサンドロス3世が使用した旗幟の色であるなどその諸説にも様々なものがあります。

5. 青は青でもどの青？

国旗の色の意味は上で紹介した通りですが、青と言っても色々な青がありますよね。実はギリシャ国旗の青は正式には定められていません。最新の法律にも「シアン色と白」としか書かれていません。一般的にシアン色といえば色の三原色の青・プリンターの青を想像しますが、シアンの語源はギリシャ語で単に暗青を意味する単語なので厳格に定められているとは言えません。よってターコイズ色や空色の明るい色から群青色やグレーがかった青まで様々なものが見られます。色にバリエーションがあっても一目でギリシャの国旗と分かるくらい特徴的な旗のパターンといえます。

6. 国旗の正しい飾り方は法律で決まっている！

ギリシャでは独立記念日を含めて年に3回、国民が旗を飾る祝日があります。旗に落書きをすること・窓やバルコニーからポールを使用せずに旗を揚げること・石像をかぶせる目的で旗を使うことは禁じられています。
大統領宮殿・国会議事堂と各省庁・各国のギリシャ大使館・学校・軍基地および船上に掲げるギリシャ国旗の正しい飾り方は法律８５１条によって次の通りに定められています。
1.朝の八時から日没まで掲げること。
2.白い球体の上に白い十字架が飾ってある白いポールに掲げること。
3.破れたり破損していないこと。その場合は丁重に燃やすこと。

まとめ

いかがでしたか？
ギリシャ国旗は国民に愛されるギリシャの象徴として町のところどころに見られます。長い支配下時代に終止符を打つと共に作られたこの国旗には、自由を愛するギリシャ人の想いが込められています。経済危機に苦しむギリシャですが、独立のために戦った時代に想いを重ねてこの困難も乗り切ってほしいものです。