祝日はそれぞれの国の習慣や成り立ちを象徴する特別な日ですが、世界中で知られる神話を持つ国、ギリシャの祝日はどんな日があるのか、気になりますよね。ギリシャの祝日は、法律で義務付けられている祝日が4日間、法律で任意の祝日と定められている日が2日間あります。さらに労働省が義務的または任意の祝日と定めている日を含めると、基本的にギリシャの祝日は年間12日あることになります。
しかも、そのうちの9日は国教であるキリスト正教に関連した祝日です。日本ではあまりなじみがないですが、交通機関に影響が出ることもあるので、旅行に行く方は日にちを押さえておいたほうが安心ですよね。そこで今回は、現地在住の筆者が、ギリシャの祝日を全てご紹介します。
ギリシャの祝日を徹底分析!どんな日があるか全部教えます!
1. 12月25日: Χριστύγεννα/フリステゥゲナ
まずは言わずと知れたクリスマス、キリストの誕生を祝う祝日です。法律で正式に祝日と定められている4つの祝日のうちのひとつです。ギリシャのクリスマスは家族と過ごす大切な時間です。都市部では近年になってクリスマスでもオープンしている飲食店などが増えましたが、基本的には「働かない日」なのでほとんどの店などは閉まります。この日から12日間続くホリデーシーズンが始まります。
なお、ギリシャのクリスマスについては「現地ギリシャでクリスマスを堪能するための6つのコツ!」に詳しく特集していますので、ぜひチェックしてみてください。
2. 12月26日: クリスマス2日目
宗教的には「神の母」となった聖母マリアを祝う日ですが、クリスマスの次の日ということで他国のBoxing Dayや「クリスマスの二日目」という解釈のようです。
3. 1月1日: Πρωτοχρονιά/プロトフロニア
新年を祝います。東方正教で特に崇敬される聖人・大バシレイオスを祝う日が1月1日です。聖人バシレイオスは福祉事業に大いに貢献したことからギリシャ語でサンタクロースはΑγιος Βασίλης/アギオス・バシリスと呼ばれています。プレゼントも通常は1月1日に開けます。
4. 1月6日 Θεοφάνεια/セオファニア
神現祭と呼ばれる、主キリストの洗礼を祝う日です。この日でクリスマスから12日間続く冬のホリデーシーズンが終わります。
5. Καθαρά Δευτέρα/カサラ デフテラ (聖灰月曜日)
大斎(おおものいみ、英語でGreat Lent)と呼ばれる復活祭の7週間前から始まる断食の初日の月曜日です。復活祭の日付は年によって異なるので、聖灰月曜日の日にちも年によって異なります。大体二月後半から三月の半ばまでにあたります。ここでいう断食とは肉・魚・卵と乳製品を摂取しないことに当たりますが、「血が通っていない」とされる貝類などのシーフードは許されています。
6. 3月25日: 25 Μαρτίου/イコシペンデ マルティウ (独立記念日)
法律で祝日と定められている4日の一つです。400年近くオスマン帝国の支配下にあったギリシャが1821年3月に独立革命を起こします。1832年に独立が認められるまでの長い闘いの始まりを記念しています。実際の日にちは定かではありませんが、もともと25日は宗教的に重要な日であったことから(大天使ガブリエルがイエス・キリストの受胎をマリアに知らせた日)この日になったようです。各市町村で軍も参加する大々的なパレードが行われます。
7. Μεγάλη Παρασκευή/メガリ パラスケヴィ(聖大金曜日)
キリストが磔刑された日として「喪に服す」日です。キリストの棺に見立てた箱が花で飾られ町を回ります。キリストの復活祭にあたる日曜日の前の金曜日です。
8. Πάσχα/パスハ (復活祭)
英語のイースターはギリシャ語でパスハと呼ばれます。主キリストの復活を祝うミサが日曜日の深夜から教会で開かれ国中が盛り上がります。ギリシャで一番重要なホリデーシーズンです。パスハは必ず日曜日なので祝日ですが翌日の月曜日も祝日です。家族や友人でテーブルを囲み、山羊や羊を使った伝統的な料理を楽しみます。
ちなみに東方正教の復活祭の日付は、一般的に知られているカトリックの復活祭の日付と同じ年もあれば1か月以上異なる場合もあります。また復活祭に連動する祝日も同様に移動するので注意しましょう。
9. 5月1日: Εργατική Πρωτομαγιά/エルガティキ プロトマイア
世界中のほとんどの国と同様に労働者の日として知られていますが、古代からこの日に春の訪れを祝う習慣があります。野原の花を摘んだり、生花で作ったリースを玄関ドアに飾るのが一般的です。
10. Αγιού Πνεύματος/アギウ プネヴマトス
復活祭から50日後の月曜日であることから、「第50の」を意味するπεντηκοστή/ペンティコスティとも呼ばれています。大体6月に行われ、キリスト教において三位一体の神の位格の一つである聖霊の降臨を記念し祝います。5月1日に作られた生花のリースはこの日に燃やされます。
11. 8月15日: Κοίμηση της Θεοτόκου/キミシ ティス セオトク
生神女就寝祭と呼ばれる、生神女マリアの永眠を記念する正教会の祭日です。法律で義務付けられている祝日であり、「夏の復活祭」とも称されるほど各地で盛大に祝われます。また、ギリシャでは神話や聖人に関連した自分の名前の日を祝う習慣がありますが、この日は実に多くの名前のネームデーでもあります。日本のお宮参りのように、聖母マリアが祀られている教会は毎年参拝者で賑わいます。
12. 10月28日: Επέτειος του Όχι/エペディオス テゥ オヒ
その名もズバリ「ノーの日」、第二次世界大戦参戦を記念した国民の祝日です。1940年10月28日にイタリアの最後通告を即時に拒否し、その数時間後に始まったイタリア軍とのアルバニア国境における激戦でギリシャ軍が圧倒的に勝利し撤退させたのです。独立記念日と並びギリシャ国家のあり方を象徴する非常に大切な祝日で、国の各地で祭礼が行われます。公共の建物から自宅のバルコニーにもギリシャ国旗が飾られる様子からは、ギリシャ人の誇りを感じ取ることができます。
まとめ
いかがでしたか?
実はこの他にも地域的な祝日もあります。各地区の守護聖人の祝日などがそうです。加えて教育に関連する職業と学校だけに適用する祝日もあります。ギリシャの祝日は基本的にギリシャ正教の影響が色濃く反映されていることが分かっていただけたと思います。しかし考えてみれば、日曜日が祝日という日本にも根付いている習慣もキリスト教由来ですから、意外と自然なことなのかもしれません。
また、盛大に祝われる独立記念日と参戦記念日は、ギリシャ人のプライドと愛国心の結晶と言えるでしょう。ギリシャ人のことをもっと知りたい人は「ギリシャ人の性格調査!仲良くなる為に必要な7つのコツ!」を合わせて読んでください。
この記事でギリシャの祝日を知って、ギリシャという国をもっとよく理解しましょう!
ギリシャの祝日を徹底分析!どんな日があるか全部教えます!
1. 12月25日: Χριστύγεννα/フリステゥゲナ
2. 12月26日: クリスマス2日目
3. 1月1日: Πρωτοχρονιά/プロトフロニア
4. 1月6日 Θεοφάνεια/セオファニア
5. Καθαρά Δευτέρα/カサラ デフテラ (聖灰月曜日)
6. 3月25日: 25 Μαρτίου/イコシペンデ マルティウ (独立記念日)
7. Μεγάλη Παρασκευή/メガリ パラスケヴィ(聖大金曜日)
8. Πάσχα/パスハ (復活祭)
9. 5月1日: Εργατική Πρωτομαγιά/エルガティキ プロトマイア
10. Αγιού Πνεύματος/アギウ プネヴマトス
11. 8月15日: Κοίμηση της Θεοτόκου/キミシ ティス セオトク
12. 10月28日: Επέτειος του Όχι/エペディオス テゥ オヒ