映画ワイルドスピードx3東京ドリフトを日本人が観て感じる9つの事

映画ワイルドスピードx3東京ドリフトを日本人が観て感じる9つの事

「東京の立体駐車場でドリフトレース?」と日本人の誰もが思う不思議な設定でハリウッドが作ってしまった映画が、ワイルドスピード×3 TOKYO DRIFT (The Fast and the Furious :Tokyo Drift)です。今回は、ワイルドスピードの魅力を紹介しつつ、ハリウッドが日本を題材に作った映画を観る時に感じる違和感を9つにまとめてご紹介します。

 

映画ワイルドスピードx3東京ドリフトを日本人が観て感じる9つの事

 

1. ワイルドスピード×3 TOKYO DRIFT:あらすじ

まずはおおまかなあらすじをご紹介します。

米国の高校生ショーン(ルーカス・ブラック)は、軍人の父に厳しく育てられ内向的な性格。彼は高校アメフト部の花形QBに因縁をつけられ、ストリートレースで決着をつける事にします。車に関しては誰にも負けない自信のあるショーンは、中古のマスタングで勝負に勝ったものの、勝利の後には少年院行きが待っていました。

彼は少年院行きを免れる為に、日本の米軍基地で働く父(ブライアン・グッドマン)を頼り来日。ショーンは都内の高校に編入しますが、父にはカーレースは禁止と注意されてしまいます。

彼は転入先の高校で意気投合した留学生に誘われストリートカーレースに参加し、魅了されます。その場でショーンは、ドリフトレースの王者・タカシ(ブライアン・ティー)に果敢にも挑戦するものの、惨敗。ショーンに、レース用に車を貸してくれた、タカシの相棒ハン(サン・カン)は、彼のハングリー精神に何かを見出し、ランサーエボリューションを与え、ストリートレーサーに仕立てるのだが・・・。といったストーリーです。

 

2. 『ワイルド・スピード』の時系列

『TOKYO DRIFT』は世界中で大ヒットを飛ばしているカーアクションの金字塔映画シリーズ、『ワイルド・スピード』3作目です。

2015年現在まで7作目まで作られている中、『TOKYO DRIFT(トーキョードリフト)』は異色作と言われています。舞台が日本の首都・東京である事と、シリーズのメイン俳優を殆ど出さない構成になっているからです。

ワイルド・スピードの時系列は、7作目まで「1→2→4→5→6→3→7」となります。偶発的にこうなったのですが、これで新たなドラマも生まれました。

 

3. ハンが憧れたトーキョー

『ワイルド・シリーズ』をトータルで観ている人は、『TOKYO DRIFT』でサン・カンが出ている事に『おやっ?』と感じるかもしれません。彼は4作目の『MAX』から顔を出し『EURO MISSION』のラストで、ジェイソン・ステイサム演じるイアン・ショーに殺されている設定になっています。それが3作目で殺されていたら、可笑しいですよね。

サン・カン演じるハンは、恋人になったジゼル(ガル・キャトッド)に、事ある事に、トーキョー(東京)に行きたいねとつぶやき、東京に行く夢が叶いかけた頃に、6作目『EURO MISSION』でジゼルを失います。彼女と一緒に行くはずだった東京に、車への情熱を諦めきれぬまま、漫然と過ごしていたハンの前に現れたのがショーンという事なのです。

 

4. 撮影場所は日本じゃない?

ドリフトマニアの間で有名になっているTOKYO DRIFTですが、撮影場所の全てが日本ではありません。海外での撮影を織り交ぜて作られています。そう、題名通りに東京で撮影する事はカーアクションに関しては至難の業なのです。

舞台となった兜町駐車場、渋谷スクランブル交差点や新宿なども、交通規制をかける事は不可能。見せ場となる、首都高速の東京での撮影シーンは、午後11時~12時という厳戒態勢での撮影でした。

その他で国内の撮影に選ばれたのは鋸山登山自動車道など千葉県が多かった様です。ドラマシーンの撮影は、新宿と目黒で撮影が行なわれ、劇中でショーンが通う高校は、廃校を利用して撮影しています。

 

5. 迫力ある走りはカメラカーの努力なしには伝わらない

TOKYO DRIFTのカースタントは、映画の中で釣り人としてカメオ出演している初代ドリフト・キング土屋圭市が監修しています。立体駐車場で見せる白熱の接近ドリフトは、現役D1ドライバーの熊久保信重田中一弘が担当し本格的な走りを見せていますが、その走りを観客に伝えるのがカメラの役目。

カメラカーは、ポルシェ・カイエンを使用し、スタントに合わせドリフトし撮影。TOKYO DRIFTのドリフト場面の迫力が観客に伝わる背景にはスタントダブル並のカメラカーの技術もあるのです。

 

6. 日本で撮影できなかった場面は合成で

その他の撮影シーンは、LAでの撮影が主です。撮影班は、LAの街を封鎖し、看板や道路標識を設置。日本から100台程の車や原付を持ち込み、あらかじめ撮影した渋谷の背景を合成したと言います。その為撮影班は前もって日本の夜景を沢山撮ったそうです。

劇中で、カーチェイスをしかける車の視界が一気に広がる仕掛けは、特殊カメラによるもの。車のボンネットの上に3台のカメラを設置し360度の風景を一気に撮影するという、当時最新鋭の機材を現場に導入したのは凄いですね。

 

7. 一番の見どころは車

シリーズ一番の見どころは何といっても車です。撮影に用意された車は実に230台。ショーンが乗るランサーエボリューション、タカシが乗るフェアレディZ 、ハンが乗るRX-7 Fortune Modelなど、カーマニア垂涎の車が次々出てきます。

『スカイラインGT-R』と名が付くラストモデルのBNR34型や、180SX、ロータス・エリーゼ、シルエティ、TVR・タスカンなど、見る目のある人には一目で判る個性的な車が、次々と出てきます。カーリストを拝見しますと’90年後半~現在までの日産車が多く車調達者のこだわりも垣間見えますね。

 

8. 気になる日本人の反応って?

この映画、気になるのは日本人の反応ですね。残念ながら日本での興行収入は振るわず、歴代『ワイルドスピード』とは別物と考えている人も多いのです。シリーズの時系列が確定してた後も、あまり観る人は居ません。その理由として、日本人や日本の生活習慣がジョークを通り越していい加減に描かれている事です。

主人公があんな狭い家に住んでいるのに、夜になったら高級スポーツカーに乗り都会の真ん中でドリフトレースなんてありえない話です。日本の名前の知れた俳優女優も何人かカメオ出演していますが、日本人の目から見れば出ても出なくても、どうでもいい役柄としか言いようがない役です。

 

9. ハリウッドが撮る日本描写はいい加減

今も昔もハリウッド大作が撮る日本人描写はいい加減である事が判ります。クールジャパンと言われ政府もそれを売りにしていますが、街中でどこの青年がドリフトレースなんてしているでしょうか。

シルベスター・スタローンが以前CARTを題材にした『ドリヴン』という映画を撮影し、日本を撮影したシーンがありましたが、劇中での日本の都会の描写は一瞬にして渋谷、六本木、新宿と情景が入れ替わり観客は大笑い。日本の都会であればネイティブはどこでも同じに見えるのかと日本人はしらけた目で見ているのです。

 

まとめ

いかがでしたか?
米国をはじめとした海外のカーマニアやゲーマーには評価の高い『トーキョードリフト』ですが、日本人にとってトーキョードリフトは、ジョークと留めている人が多いという事が、お判り頂けると思います。

日本てクールだよね、と言われる背景がベンチャーではなく、この様な映画なのだとすれば、私たち日本人としてはいささか不本意な話なのです。本当の車好きや車を愛する日本人は、劇中にある様な行為はしない上に、人によっては映画の内容に怒る人もいると思います。それを心にとどめていただけると幸いです。

 

映画ワイルドスピードx3東京ドリフトを日本人が観て感じる9つの事

1. ワイルドスピード×3 TOKYO DRIFT:あらすじ
2. 『ワイルド・スピード』の時系列
3. ハンが憧れたトーキョー
4. 撮影場所は日本じゃない?
5. 迫力ある走りはカメラカーの努力なしには伝わらない
6. 日本で撮影できなかった場面は合成で
7. 一番の見どころは車
8. 気になる日本人の反応って?
9. ハリウッドが撮る日本描写はいい加減

 

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