スペインの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知​識!

スペインの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

(Alberto Barbero)

出来ればあってほしくない事、それは大事な方のご不幸。スペインで長く生活していると、お葬式・葬儀に参列することもあるかもしれません。あなたがもしこのような場面に遭遇したときでも、しっかり礼儀正しく対応できるよう、今回は、スペインの葬式・葬儀の常識やマナーについて詳しくご紹介します。

服装のことや宗教などに沿った式の流れなど、色々な角度から葬儀のマナーや対応方法を解説していきます。

 

スペインの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

 

1. 悲報はどう届く?

スペインでの最も多い連絡方法は、親しい相手や家族などには電話で知らせます。そういった方々以外には、新聞で告知します。スペインの地方紙などですが、故人の名前、年齢などをよく目にします。連絡を受けた、または新聞を目にした方は24時間以内に葬儀やお通夜に参列します。参列ができない人は電報や手紙など、ありきたりの文章ではなく、自分の言葉で悲しみの気持ちを伝えます。心理学者のサラ・ロサントスさんは、「うまくまとめた言葉より下手でも自分の言葉で表現すること。もしあまり意味のない言葉で、しらけた雰囲気にさせてしまうなら、沈黙のままの方が良い」と述べています。

 

2. どんな服を着ていくのか?

親族は黒い喪服を身に着けます。ただし全てを黒一色にする事もマナー違反。この点も日本では不思議に思いますね。親族以外の者が身につけるのは、黒を選択するのはよくありません。グレイ色など、色の落ち着いた暗めのトーンを選択します。派手目な色はもちろんご法度です。

 

3. ぐっと悲しみをこらえること

これは宗教や無宗教に関わらず、スペインでの共通認識をお伝えします。スペインでも故人に最期のお別れをする際のお通夜があります。これは約24-28時間かかります。意外かもしれませんが、実は参列者や及び親族は泣く事、叫んだりする事はご法度なのです。あくまでも冷静に努め、最後までぐっと堪えなければならないのです。よくドラマなどのイメージでは泣き叫ぶ姿を連想しがちですが、実際のしきたりに沿って、ぐっと堪えることで、あとで沢山悲しみがやってきそうですね。

 

4. 宗教的かそうでないかでも違います

スペインは沢山の教会やカテドラルがあり、キリスト教でもカトリック信者が約70%をしめています。え?全国民ではないの?と思われるかも知れません。現在は無宗教という国民も約25%と、意外と多いのです。スペインは基本的には宗教は自由な選択権をもっています。スペインに生まれたからと言って、必ずしも幼児洗礼から受けたことがない人もいますし、一貫してクリスチャンを貫いていない人も多いのです。最近の若いスペイン人は、宗教などにとらわれない人も多いです。ただ、アンダルシアは圧倒的にクリスチャンの人口は高いです。

故人が信者であった場合、葬儀は洗礼を受けた教会で行われます。日本でも結婚式のシーンで、花嫁さんが教会に入場するシーンを見かけることがあるかもしれません。同じように参列者は教会内で立って待ちます。そして棺が参列者の間を通り、祭壇へ静かに置かれます。それから、参列者は花を送ります。もっとも正しい正当な花の贈り物は花で作られた王冠です。「丸」という意味には、「命が回る」意味をもち、また来世での出会いを待ち望む哀悼がこもっています。

 

5. 親族と親友は教会の中に前方の席に座ります

協会の司祭が入場し、家族に挨拶をいたします。個人の棺の上には国旗がかけられています。またはその州の州旗など。そしてその上には花が飾られています。兵隊や警察官の場合では、その制服である帽子がおかれています。Homilíaオミリアといい、クリスチャンのミサの儀式を静かに執り行います。その際に、教会の聖水で清められます。家族はその聖水を持ち帰ります。棺は、家族や親友など近しかった方々によって、外に運ばれます。みなはその様子を見届けないといけません。

 

6. 無宗教の場合

無宗教の場合は、家族の代表などが哀悼をのべ、次々と近しかった者が哀悼を述べます。現在はこういった簡略化した葬儀も増えてきています。棺は霊柩車のような車に乗せられて、埋葬または火葬にします。埋葬にするには高額な費用となるため、火葬にするケースが多いです。日本ではもう年間行事のようになったハロウィンですが、近年スペインでもハロウィンを楽しむ人々が増えてきました。ですが、日本のような「仮装パーティ」ではなく、メキシコの「シュガースカル」などの仮装を楽しむ人々が多いです。そして、この10月31日のお祭りのあとは、11月1日は国民の祝日で、お彼岸にあたるお墓参りをするのです。いつも11月1日は郊外の墓地に行くための車の渋滞に巻き込まれてしまいます。

 

まとめ

いかがでしたか?
日本と共通する部分のあるスペインのお葬式の一般常識もあれば、スペインならではという場面もあります。また、現在は死後に自分の体を検体として、医療のために解剖などに提供するという例も多くなっています。クリスチャンでは絶対ご法度ですが、ここ最近のスペインでは生前の故人の遺志を大切にし、死後にその要望を叶えることを尊重するようになってきたようです。

 

スペインの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!

1. 悲報はどう届く?
2. どんな服を着ていくのか?
3. ぐっと悲しみをこらえること
4. 宗教的かそうでないかでも違います
5. 親族と親友は教会の中に前方の席に座ります
6. 無宗教の場合

 


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