ロシアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

(flickr By Mika Stetsovski)

「Aソ連型」など、インフルエンザのウィルス名に国名が使われるほど、ロシアでも毎年インフルエンザが流行っていて、死者も出ています。寒い気候の中、ロシア人はどうやってインフルエンザや風邪から身を守っているのでしょうか。今回は、ロシアで流行する病気についてや、病気関連のロシア語について詳しくご紹介します。

 

ロシアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

 

1. ロシアでは風邪をひきやすい?

ロシアには、冬が長い地域が多いです。それに加えて、日本より空気が乾燥しています。ほとんどの家がセントラルヒーティングで、冬季でも家中が常に温かいのはいいのですが、室温調整が難しく、暖まりすぎて室内は非常に乾きがちです。外の寒さと屋内の空気の乾燥は、風邪を引き起こす原因になります。また、気候の問題だけでなく、ロシア人は挨拶のとき、握手をしたりハグをしたりと人との接触が多いです。このことも、病気がうつってしまう原因の1つかもしれません。

 

2. ロシアのインフルエンザ予防

ロシアでインフルエンザが流行するのは、主に冬場です。この病気の予防としては、日本と同じく、まずワクチンの接種が挙げられます。また、市販されている予防の薬を、2、3週間飲み続ける人もいます。筆者もロシア滞在時、その薬を一箱無くなるまで飲むようロシア人に勧められました。ちょっと抵抗があって、毎日は飲まなかったですが…。他にも勧められたのが、鼻用のアンチウィルスの薬です。人が多い場所に行くときは、それを鼻の中に塗って出かけると感染しにくいそうです。マスクをしたらいいのではないかと思うのですが、なぜかロシア人はマスクを外で全然つけません。感染の拡大を防ぐ措置としては、日本と同じく学級閉鎖があります。ロシアでは、インフルエンザは子供からかかっていく傾向があるそうです。学級閉鎖の期間には、子どもが参加する大きな行事は中止されます。

 

3. 病気のときの食べ物

ロシアでは、風邪の症状が出たとき、ハチミツを摂取する人が多いです。そのまま食べたり、紅茶や牛乳に入れて飲んだりします。のどが痛いときは、ハチミツと重曹を温かい牛乳で溶かしたものが飲まれます。ハチミツは、ビタミンが豊富で、喉のイガイガにも効き目があるからでしょう。малина(マリーナ)というエゾイチゴのジャムも、ビタミンが多いため、病気のときは紅茶に入れてよく飲まれています。鼻水で辛いときは、アロエの汁をスポイドで鼻に入れるという民間療法もあります。食べ物では、あつあつの鶏のブリオンや、牛乳で作った米のお粥を食べる人が多いです。ビタミン摂取のために、柑橘類もよく食べられます。

 

4. ロシアの防寒対策

ロシアで一番の風邪対策は、防寒です。外に出るときは、コート、長靴、手袋、マフラーなど、ばっちり着こみます。中でも、帽子は必須です。「頭寒足熱」という日本語がありますが、ロシアでは冬場に頭を守らずに外を歩くなんて、とんでもないことです。また、ロシア人は、すきま風に非常に敏感です。冷たいすきま風が部屋の下のほうにたまって、風邪をひいてしまうからです。窓枠と壁の間のすき間を埋めるための専用のテープが売られているほどです。不思議なのは、そんなに冷えを嫌っているのに、ロシアにはホッカイロが普及していないことです。若干似ているものとして、唐辛子のシップがあります。貼ると確かに温かいのですが、かなりピリピリします。また、冷えをとるため、辛子パウダーを入れたお湯で足を温めたりもします。中には、すぐに体を温めたくて、ウォッカに赤唐辛子やコショウを入れて、ストレートで飲む強者もいます。

 

5. インフルエンザ以外で毎年流行する病気

ロシアには、インフルエンザの他にも、その季節になるとたくさんの人がかかる病気があります。まず、雪解けに始まって、4月から5月にかけてピークを迎えるのが花粉症です。白樺が原因となるものが多いそうです。また、春から秋にかけて、地方では、ダニ媒介性脳炎にかかる人もいます。マダニに咬まれて引き起こされる病気です。夏場にロシアの森や草原などに出かけるときは、長ズボンにスニーカーなど、なるべく肌の露出を少なくしてくださいね。気になる人は、日本でワクチンを打ってから、渡航しましょう。冬場は、乾燥性皮膚炎になる人も多いです。空気が非常に乾いているため、体のあちこちがかゆくなったり、湿疹が出たりする病気です。保湿クリームで、こまめに保湿するといいです。また、冬季は日照時間が短く、晴れ渡る日が少ないので、冬季うつになりやすいです。体がだるく、やる気が出なくて、過眠や過食になったりします。日光を浴びることがこの病気の防止になるからか、ロシア人は冬場も寒い中、よく外を散歩しています。

 

6. 病気に関するロシア語

インフルエンザはロシア語で、грипп(グリップ)です。病気になったら、

「Я заболел/заболела.(ヤー ザバレール/ザバレーラ)病気になりました」

と言って、助けを求めましょう。あなたが男性なら「ザバレール」、女性なら「ザバレーラ」を使ってください。反対に、病気の人にかける言葉としては、

「Выздоравливай!(ヴィーズダラーブリヴァイ)元気になって!」

があります。もし相手が目上の人なら、語尾に「チェ」をつけて、「Выздоравливайте!(ヴィーズダラーブリヴァイチェ)」と言いましょう。また、くしゃみをした人に対しては、英語の「Bless you!」のような感じで

「Будь здоров/здорова!(ブッチ ズダローヴ/ズダローヴァ)」

と言ってあげてください。相手が男性なら「ズダローヴ」、女性なら「ズダローヴァ」です。相手が目上の人のときは、「Будьте здоровы!(ブッチェ ズダローヴィ)」を使ったほうがいいです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
モスクワなどの都市部には、設備のいい私立病院も増えたそうですが、ロシアの病院では、きめ細かいサービスは一概に期待できません。外国語を話さない病院職員も多く、待ち時間も長いです。どこの国でも、できれば病院には行きたくないものですよね…。軽い風邪のときは、ぜひ自分でできるロシアの民間療法を試してみてください。ロシア人なみに寒さ対策をして、凍える冬を元気に乗り切りましょう!

 

ロシアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

1. ロシアでは風邪をひきやすい?
2. ロシアのインフルエンザ予防
3. 病気のときの食べ物
4. ロシアの防寒対策
5. インフルエンザ以外で毎年流行する病気
6. 病気に関するロシア語

 


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