韓国の宗教事情を正しく知るための7つの豆知識!

韓国の宗教事情を正しく知るための7つの豆知識!

(np djjewell)

世界各地にはさまざまな宗教が存在し、そこに暮らす人びとの生活様式や文化の基盤となっています。韓国でも同様に宗教が社会生活においてもつ意味は小さくありません。今回は、韓国の宗教事情に関心がある、あるいは韓国を訪問した際に宗教的に注意すべきことは何かを知りたいあなたのために、韓国の宗教事情を正しく知るための7つの豆知識をお話しさせていただきます。



 

韓国の宗教事情を正しく知るための7つの豆知識!

 

1. 韓国の主要な宗教は?

韓国にはすでに述べたように多くの宗教が並立・共存していますが、なかでも勢力が大きいのが仏教とプロテスタント、カトリックです。統計によれば、韓国の人口のうち、22.8%が仏教、18.3%がプロテスタント、10.9%がカトリックの信者であるとされています。

 

2. 国の「世界宗教」の特色

これらの宗教は宗教学的に分類した場合、特定の民族のみに通用する「民族宗教」ではなく、民族や国を越えて信仰される「世界宗教」とされるものです。しかし、韓国においてこれらの宗教は「世界宗教」としての性格をもちつつも、朝鮮王朝のもとで社会に浸透した儒教やシャーマニズムなど土着のさまざまな要素と融合して韓国独自のスタイルを形成してきました。

 

3. 韓国仏教の2つのスタイル:曹渓宗と太古宗

韓国の仏教には2つの形態があります。それはお坊さんの結婚の可否です。朝鮮仏教は家族から離れて修行をする「出家主義」を基本とするものでした。このようなスタイルに変化をもたらす契機となったのが近代化した日本仏教との出会いでした。これを自分たちのモデルだと考えた朝鮮のお坊さんの一部は公然と結婚するようになりました。

ところが植民地支配が終わると、事情は様変わりしました。日本の支配に協力的だったお坊さんたちへの批判が高まるとともに、その象徴として日本仏教の影響によるお坊さんの結婚が攻撃対象となったのです。これを日本の影響による「堕落」だと考えた勢力は「仏教浄化運動」を展開し、追放されたお坊さんもいました。その一方で結婚は宗教的実践の妨げにならないと考える勢力も存在し、両者は激しく対立するようになりました。その結果、仏教界はお坊さんの結婚に否定的な「曹渓宗」と肯定的な「太古宗」とに分裂することになりました。

 

4. 熱心な布教を展開するプロテスタント

韓国では都市部の駅前などでギターを弾きながら集団で神様を讃える歌を歌ったり、各家庭を訪問して聖書の話をするなど、熱心に布教をするプロテスタントの信者たちの姿を見かけます。韓国には多数のプロテスタント系教派が活動していますが、なかでも長老派、メソジスト、そしてバプティストという3つの教派が大きな勢力を有しています。

このような熱心さから信者のなかには他宗教、とりわけ仏教への攻撃をする人たちがいて、このような宗教対立をどう克服するのかが課題になっています。さらに、プロテスタントは元々、平壌を中心とする北部を根拠地としていましたが、共産主義政権を逃れて朝鮮戦争の時期に前後して南部に移った教会が多数あります。このような教会では北に対する反発が大変強く、説教で反共的な内容(共産主義者を悪魔になぞらえる、など)が多く語られることが特徴です。その一方で積極的に北との交流や援助事業などの活動をする教会もあり、北とどう向き合うかについては一枚岩ではなく、プロテスタント内部で対立があることも事実です。

 

5. 対立の調停役、カトリック

カトリックは、韓国では「天主教(チョンジュギョ)」と呼んでプロテスタントを指す「基督教(キドッキョ)」と明確に区別しています。これが両者をともに「キリスト教」と呼称する日本との大きな違いです。つまり、別の宗教として認識しているのが大きな特徴です。

国際的に大きな影響力をもつカトリックは韓国社会でも無視できない存在で、民主化運動の際には政権の暴力が及ばない運動の拠点となりました。ソウルの明洞大聖堂はその象徴的場所でした。現在も調停役としてのさまざまな役割を果たして存在感を増し、信者を増やしています。

 

6. 「花まつり」も「クリスマス」も祝日!

韓国の祝日には釈迦が生まれた「花まつり」とイエスが生まれた「クリスマス」の両方が含まれています。「花まつり」は「仏様がいらっしゃった日」と呼ばれ、旧暦の4月8日、「クリスマス」は12月25日です。これは韓国社会でこれらの宗教が重要な位置にあることを示すとともに、韓国の政治において三大宗教(仏教・プロテスタント・カトリック)を平等に扱うことが求められていることを示すものです。そのような「配慮」が2つの祝日の背景にはあるのです。

 

7. 在来宗教やイスラム教も!

韓国在来の宗教も一定の勢力を有しています。大倧教(テジョンギョ)は、神話上の韓民族の祖・檀君を崇拝する民族宗教で、5~60万人の信者がいます。ほかにも東学の流れを汲む天道教や、甑山道(じゅんさんどう)などの宗教があります。また、韓国人イスラム教徒の数は約4万人であると言われます。そのほとんどは朝鮮戦争の頃に改宗した人びとおよびその子孫でソウルなどにはモスクもあります。

 

まとめ

いかがでしたか?
韓国はさまざまな宗教が共存し、各宗教の内部にも複雑な葛藤があることがお分かりいただけたと思います。日本のような「イエの宗教」は存在せず、あくまで宗教は個人の選択によるものです。信仰している人たちは非常に熱心で、そのため他宗教に対して攻撃的であったり、しつこく勧誘する人もなかにはいます。このような時は冷静に対処し、「あなたはそう考えるんですね」といって、否定も肯定もせずにそれ以上立ち入らないこと、場合によってはキッパリと「関心ありません」と拒否することが必要です。他方で、多様な宗教が共存する韓国では他者の信仰を尊重し、宗教に対していたずらに否定したり、馬鹿にしたりするような言動は慎んだほうがいいでしょう。

 

韓国の宗教事情を正しく知るための7つの豆知識!

1. 韓国の主要な宗教は?
2. 国の「世界宗教」の特色
3. 韓国仏教の2つのスタイル:曹渓宗と太古宗
4. 熱心な布教を展開するプロテスタント
5. 対立の調停役、カトリック
6. 「花まつり」も「クリスマス」も祝日!
7. 在来宗教やイスラム教も!

 


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