イタリア語が少し分かるようになってきたら、ぜひ映画館に行ってみませんか?イタリアの映画館では映画自体を楽しめるだけでなく、イタリア独自の映画館の雰囲気や、イタリア人らしい映画館での過ごし方を実感できます。
今回は、現地在住の筆者がイタリアの映画館の特徴をまとめましたので、映画館に行く前のぜひ参考にして下さい。
イタリアの映画館とは?在住者に聞く7つの特徴!
1. 映画館へはグループで
イタリア人は一人では映画を見に行きません。イタリア人にとって映画館はみんなで映画を見に行く場所です。最低でもカップルで、通常はグループで、ワイワイと喋りながらの映画鑑賞がイタリア流です。日本のようにちょっと時間ができたときに、ふらっと一人で映画を見に行くという発想はイタリア人にはありません。
イタリア人は特に外ではみんなで一緒に過ごすことを好む傾向があります。カフェで一人でお茶をしている人の数も少ないですし、一人でレストランなどで食べている人もあまりいません。映画も同じように考えられていて、一人で観に行くことはないようです。
2. チケットの料金や種類
チケットの料金は各映画館によって違っています。平均すると8ユーロくらいで、日本よりもお得に映画を観に行けます。一般的な学割やシニア割引もありますし、曜日によって大幅な割引をしている映画館もあります。また2Dと3Dのフィルムで料金が異なる映画館もあります。
イタリアの映画館は満席ということはほとんどありませんが、平日の夜でかなり割引をしているときは早めにチケットを買いに行かないと売り切れてしまします。全席指定の映画館では席を選ばせてくれる映画館はほとんどなく、チケットにすでに自分の席が記載されています。
チケット以外に映画館で買うものといえば、やはりポップコーンでしょうか。イタリアでも映画館の定番の食べ物はポップコーンです。サイズは小さめを選んで日本よりもボリュームがあります。
3. 上映時間は午後から
イタリアでは午前中は映画館はやっていません。最初の上映が始まるのは早い映画館で午後3時くらいからで、夕方6時くらいから始まる映画館もあります。最終の映画の上映開始は午後10時過ぎです。どこの映画館もこのようなスケジュールなので、映画を観に行くなら午後から夕方以降の時間帯で予定を立てましょう。
4. 全部イタリア語へ吹き替え
映画館で上映される外国映画のほとんど全てがイタリア語に吹き替えられています。理由としては、字の読めない人もいた昔の名残が残っているとの説もありますし、イタリア人の吹き替えの声優のレベルが高いからとの説もあります。最初のうちはハリウッドスターがイタリア語で話しているのに違和感があるかもしれませんが、意外と早く慣れてきます。
また、イタリア語の勉強のために映画を観ようという人もいると思います。イタリア映画はイタリア語の方言がきついことが多いので、実は吹き替えの外国映画の方が標準のイタリア語で勉強にはおすすめです。映画館は映画に集中できるのでいい学習環境です。やっぱり映画は英語で観たいという人には、最近は観光地の中心部ではイタリア語字幕で上映している映画館もあります。
なお、イタリア語の簡単な挨拶については以下の記事にまとめまっていますので、まずは挨拶からイタリア語を習得してみてはいかがでしょうか。
5. 上映中に途中休憩あり
イタリアでは映画の上映の半ば、全くのストーリーを無視した突然のタイミングで中断され、場内が明るくなって5分から10分くらいの休憩が入ります。知らずに初めて観に行った人は何か起こったのかと本当にびっくりします。
この休憩時間にはトイレに行ったり、飲み物を買いに行ったりします。一緒にきた友達と映画について話しているうちに、また暗くなって何事もなかったかのように上映が再開されます。この間にアナウンスは一切ありません。
6. 上映中のイタリア人
イタリアの映画館に初めて行くとその賑やかさ(騒々しさ?)に少しびっくりするかもしれません。
イタリア人は黙っていることが苦手な人が多いのですが、映画館でも大声で笑ったり、声に出してびっくりしたり、思わず自分の感想を口にしてしまう人が続出です。静かに映画鑑賞という雰囲気は全くなく、上映中も隣の人と話したりしています。一人で映画の世界に入りたい人には厳しい状況ですが、みんなで映画を楽しむという雰囲気があっていいですよ。
映画が終わると余韻を楽しんでエンドロールを見る人は皆無で、さっさと席を立って行くのもイタリア人の特徴です。映画館の前では観たばかりの映画について感想を語り合っているグループの姿をよく見かけます。
なお、イタリア人の性格については以下の記事で特集していますので、こちらもぜひ一読してみてください。
7. 古き良き映画館が閉館へ
映画「ニューシネマパラバイス」を思い出させるような、古いけれど味のある小さな映画館がイタリアにはまだ残っています。残念ながらこうした映画館は年々数は減ってきてしまい、日本にあるようなシネコンが郊外を中心に増えてきています。シネコンは行ってから観るものを決められ便利ですが、イタリアならではの映画館の雰囲気はやはり昔からの映画館でしか味わえません。
まとめ
いかがでしたか?
ほとんどの現地の映画館はアクセスも良いところにあり、時間も選べるので行きやすいです。ちょっと時間ができたときに、一人ではなくイタリア流に友達を誘って映画を観に行きましょう。そしてイタリア人と一緒になって大笑いして映画を楽しんでみて下さい。
イタリアの映画館とは?在住者に聞く7つの特徴!
1. 映画館へはグループで
2. チケットの料金や種類
3. 上映時間は午後から
4. 全部イタリア語へ吹き替え
5. 上映中に途中休憩あり
6. 上映中のイタリア人
7. 古き良き映画館が閉館へ