オーストラリアではイギリスからの移民が持ち込んだパブ文化が受け継がれた現在、街のあちこちにパブを見つけることができます。さらにその後、パブはオーストラリアならではの独自の進化を遂げ、あまり一般的に知られていない意外なパブの楽しみ方もあるんです。
では早速、オーストラリアのパブについて8つのポイントからご紹介していきましょう。
オーストラリアのパブへ行こう!在住者に聞く現地人の8つの楽しみ方!
1. オーストラリアのパブとは
オーストラリアのパブはいわゆる庶民の居酒屋で、「パブ」または「ホテル」と呼ばれています。後者はかつて禁酒法の時代にホテルなら酒の販売が許可されていたため、パブに簡単な宿泊施設を付けたものを便宜的に「ホテル」と呼んでいた名残りです。今でもこうした部屋付きのパブは少ないながらも残っています。
大抵のパブは朝10時~深夜まで営業しており、18才以上なら誰でもお酒を注文できます。バーカウンターに並ぶ10種類ほどのビールサーバーから好きな銘柄とサイズを選んで注文し、お金を払います。サイズは小さい順に、グラス(280ml/$4~)、スクーナー(425ml/$5~)、パイント(570ml/$7~)、ジャグ(約1L/$12~)です。
受け取ったらカウンター近くのハイテーブルで立ち飲みするもよし、外テーブルで座ってゆっくり楽しむもよし。ビール以外にもワインやカクテル、ジン、ウォッカ、ウィスキーなどのハードリカーももちろん揃っています。またほとんどの店が夕方4~6時はハッピーアワー(Happy Hour)でドリンクの割引サービスをやっており、この時間に来れたらラッキー。
他にはおつまみが$10~、メインが$20~のフードメニューもカウンターで同じように注文でき、渡された番号札を置いたテーブルで待っていれば、料理が運ばれてきます。オーストラリア人は必ず行きつけのパブとカフェがあるといわれるほど、オーストラリアでは生活の一部になっているのがパブなのです。
なお、オーストラリア人にもう1つ生活の一部になっているのがBBQです。以下の記事で現地のBBQ熱について詳しく解説していますので、こちらも合わせてぜひ読んでてみてください。
2. パブで飲むのは仕事の後かお出かけ前
日本と同じように仕事帰りに同僚と一杯、というスタイルが一般的なパブの楽しみ方です。そしてお酒を飲む時はあまりフードを食べないのがオージースタイル。せいぜいチップス(フライドポテト)かナチョスをつまみにひたすら飲み続け、何杯か飲んだらさっと切り上げて帰ります。日本のように終電までずるずる飲むことはあまりしません。
また、友人や同僚と来ている時は、それぞれ順番に人数分の酒をおごり合うこともあり、これをシャウト(shout)といいます。また、友人と夜に出かける時、例えばレストランでのディナー前に近くのパブで待ち合わせて一杯飲んでからレストランに向かう、という使い方もあります。
3. パブで手軽にランチやディナー
パブの中にはフード系メニューが充実しているところもあり、手軽なランチやディナー先としても人気です。メニューはハンバーガー、ステーキ、ピザ、パスタ、チップス(フライドポテト)、フィッシュ&チップス、ナチョスなど、簡単なものが多いですが、その分、平日$10くらいの激安ランチサービスもあり、物価の高いオーストラリアで安くてお腹一杯になれるのがパブなのです。
パブというとどうしても男性のイメージが強いですが、主に郊外のパブでは曜日限定のキッズ無料デーやピザ$10デーなど、各種割引サービスがあり日によってはパブがファミリーでいっぱい、なんてことも。
4. 週末のブランチもパブ
オーストラリアでは週末はカフェでブランチを楽しむ人が多いですが、お酒が好きな人はパブでブランチすることも。メニューも安く、カフェよりも長居できるので、週末のパブはゆっくりお酒を飲みつつTVを見たり、友達とキャッチアップするための、大切なリラックスタイムなのです。
最近は週末にファミリー連れで来る人も増えており、小さい子ども用のおもちゃやお絵かきグッズなどをもらえるキッズフレンドリーなサービスもあります。
5. パブはドライブスルースタイルの酒屋
今では酒屋が普通にありますが、まだアルコール販売が厳しく管理されていた時代、アルコールを売れるのはパブだけでした。その名残りで店の裏側に持ち帰り用の酒屋コーナーがあるパブが今でもあちこちにあります。
大抵はファストフードのようなドライブスルースタイル(Drive inといいます)で、箱単位で注文したお酒をトランクに入れて、そのまま車で持ち帰ります。車で来ていればパブ帰りに自宅用のお酒を買うこともできる、便利なサービスです。
6. パブでギャンブル
パブの中にはスロットマシーンでギャンブルができるところもあります。音が出るので大抵はバーカウンターから少し離れていたり、ドアなどで部屋を仕切られているところもあります。
このスロットマシーンはオーストラリアではポーカーマシーン(poker machine)またはポーキー(pokie)と呼ばれ、18歳以上なら誰でもプレイできます。これ目当てでパブに行く人も多いので、場所によっては1フロアまるごとポーキー用というパブもあるくらいです。
7. パブの音楽・スポーツイベント
少し意外ですが大きめのパブでは、音楽やスポーツイベントもあります。といっても有名アーティストではなく、無名のバンドや有名バンドのコピーバンドですが、意外に上手で盛り上がることも。AC/DCやINXSなど、後に有名になるバンドも無名時代にパブを回っていたこともあり、実は次世代アーティストを発掘できるチャンスかも!?
また、普段からパブのTVでは様々なスポーツや競馬番組が流れていますが、NRLまたはAFLリーグ決勝戦、ラグビーW杯やクリケットW杯などの一大イベント時は大画面での応援イベントが催され、この日はあちこちのパブからファンの雄叫びが聞こえてくるのがオーストラリアの風物詩です。
8. パブのここに注意!
もし、オーストラリアのパブに行くなら、とにかくパスポートを忘れないで!せっかく行っても18歳以上と証明できないとお酒を売ってもらえません。また、子ども連れでパブに入ることはできますが、18歳以下の子どもがバーカウンター周辺に近づくのは違法です。注文する時は子どもはテーブルに待たせ、大人だけがカウンターに行くようにしましょう。
パブによってはテーブルサービスがある場合もあります。また、オーストラリアは基本的にチップは必要ありませんが、スタッフにいいサービスを受けたと思ったらその感謝の気持ちとして数ドル払うことはできます。会計額の端数を繰り上げるくらいが相場でしょう。ちなみにクレジットカードでもチップを払うことができます。
オーストラリアのクレジットカードや電子マネーについては、以下の記事で詳しく説明していますので、こちらもぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
オーストラリアのパブは町ができる時、最初に建てられたものでした。というのもパブというだけでなく、郵便局、雑貨屋や宿泊所、レストランも兼ねた街の中心だったため、町のシンボルとしてその歴史ある趣深い建物は今に引き継がれています。そのクラシックな内装は見ているだけでも味わい深いですよ。
ぜひオーストラリアに来た時はローカルに混じってパブを訪れてみてください。お酒を通してオージーのことを知ることができるチャンスですよ。
オーストラリアのパブへ行こう!在住者に聞く現地人の8つの楽しみ方!
1. オーストラリアのパブとは
2. パブで飲むのは仕事の後かお出かけ前
3. パブで手軽にランチやディナー
4. 週末のブランチもパブ
5. パブはドライブスルースタイルの酒屋
6. パブでギャンブル
7. パブの音楽・スポーツイベント
8. パブのここに注意!