オランダ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

オランダ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

オランダの国旗、なんとなく他の国に似たデザインで地味な国旗だと思っている人も多いのではないでしょうか。しかも、王室のイベントなどでオランダ人が振っている旗は、国旗ではなくオレンジ色の旗なことも多いです。サッカーの応援でも同様ですよね。どうしてオランダの国旗があまり浸透していないのか、今回はその不思議について徹底的に分析したいと思います。

 

オランダ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

 

1. 現在のオランダ国旗の意味

今のオランダ国旗にはもちろん意味はあります。まず色ですが、上から赤・白・青の三色のストライプです。赤は国民の勇気を、白は信仰心を表わし、青は祖国への忠誠心を表わしています。オランダの国歌には、しっかりと、「赤は多くの戦いに臨んだ国民の勇気を、白は神様の永遠の祝福を待つ信仰心を、青は祖国への忠先進をあらわす」と謳われています。きちんとした理由があって制定された国旗なんです。しかし、なぜかオランダといえばオレンジ色というのが定着しているんです。それには、オランダ建国の父と呼ばれる人や家系の存在が関係しています。ちなみに、ベネルクス三国としてくくられるオランダ・ベルギー・ルクセンブルクのうち、オランダとルクセンブルクの国旗は大変よく似ていますが、これは18世紀の後半にこうした三色の旗を使うことが多かったためと言われています。

 

2. オラニエ家の存在

さて、オランダという国は共和制の時代にもっとも栄えました。それがGolden Ageと呼ばれる黄金の世紀です。16世紀から17世紀にオランダが太陽の沈むことなき国と呼ばれていた頃のことです。レンブラントやフェルメールといった画家たちが活躍していた時代でもあります。この繁栄を支えたのが、スペインの重税からオランダを解放したオラニエ家の人々にあたります。そしてオレンジ公ウィリアム1世は、独立戦争の指導者で、オランダ建国の父と言われる人です。彼はPrince of Orangeという称号を持ち、民に慕われていました。そして、1813年にオランダ建国に寄与したオレンジ家当主が初代の王となり、現在まで王政が続いているわけです。

 

3. オレンジの名は、フランスから

しかし、そもそもなぜ、果物のオレンジが採れる温暖な気候でも肥沃な土地でもないオランダに、オレンジ公が即位することになったのでしょうか。実はオレンジの名前というのは、フランスから来ています。もともと、オレンジ公ウィリアムは、ドイツのナッソウ家の出身です。16世紀に婚姻関係によって、オレンジ公国の公位を引き継いでから、オレンジ公とよばれるようになりました。オレンジ公国は、南フランスのプロバンス地方の公領で、オレンジの売買が盛んだったようです。そこから、オレンジの名前と色がオランダにまでやってきたわけですね。

 

4. 最初はオレンジ色だった

そして、オレンジ公が使っていたのがオレンジ色の旗だったわけです。独立戦争の立役者ウィリアム1世は当初、オレンジ・白・青の三色カラーの旗が使っていました。つまり、現在赤に指定されている国旗は、最初はオレンジ色だったわけです。おまけに当時は軍服もオレンジ・白・青の三色を用いていたそうです。もちろん現地語ではオラニエ、つまりオレンジの名前から来ているわけですが、オレンジ色は変色しやすいなどの理由から赤へと変わったと言われています。また、染めにくいとか、海上での色が識別しにくいといった理由もあったそうです。

 

5. オレンジがナショナルカラー

しかし、歴史的な背景から赤・白・青の三色よりも歴史が古いオレンジ色がオランダのナショナルカラーとして定着したわけです。それゆえ、サッカーでもオレンジのユニフォームを着たり、応援の際にはオレンジ色の旗を振って応援しているわけです。ちなみに、オランダ生まれで有名なミッフィーの洋服にもオレンジ色が使われていますね。

 

6. でも、オレンジは長く使われていた

紆余曲折あって、基本的に赤・白・青の三色旗がオランダの国旗になりました。しかし、1816年に勅令によって制定されたのに、その後も好みや王室との距離感を反映して、オレンジと赤の両方が使われていたそうです。ちなみに、オランダはナポレオンの統治下にあった時に本国で国旗を掲揚することができませんでしたが、その間も長崎の出島では掲揚されていました。その時の歴史的資料を見ても、赤の色にはばらつきがあり、あくなきオレンジへの思いが見え隠れしています。1937年になって、ようやく女王の勅令により、赤が正式に採用されたそうです。それゆえ、オランダの国旗は他の国のものに比べて比較的新しい国旗とも言えそうです。とはいえ、植民地時代の名残を受け、南アフリカ連邦の時代に1994年までオレンジ色の国旗は使われましたし、今でもニューヨークの市旗に使用されています。オランダ人にとってオレンジ色は、まさに愛すべきカラーと言えますね。

 

まとめ

いかがでしたか?
オランダ人は普段騒いだりしないのに、サッカーや大晦日などのイベントになると、びっくりするくらい盛り上がる国民たちです。そして、密かにオレンジを愛用している点では、とても愛国心が強い人々であることも、国旗の成り立ちから分かりますね。

 

オランダ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

1. 現在のオランダ国旗の意味
2. オラニエ家の存在
3. オレンジの名は、フランスから
4. 最初はオレンジ色だった
5. オレンジがナショナルカラー
6. でも、オレンジは長く使われていた


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