イギリスで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

イギリスで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

(Anna-Lena König)

イギリスサッカーのシンボル、デヴィット・ベッカムがタトゥーを全身に入れたことによって、市民権を得たように見えるイギリスのタトゥー文化ですが、本当に市民権を得ているのでしょうか?今回は、イギリスの刺青・タトゥーをご紹介していきます。

 

イギリスで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

 

1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?

外国のアニメなどでタトゥーと言えば、海賊や船員の腕にあるイメージがあります。これは、タトウの歴史が関わってくるのでしょう。キャプテンクックの時代、タヒチの原住民が行っていた刺青がやがては船員の間に広まり、それらが海の男の証のようになっていった、というわけです。

そして現在よく見るタトゥーの人はと言うと、「パブの店員かなあ…」という感じです。パブで飲んでいるとよく見るので、他の仕事の人もいると思うのだけれど、やっぱりワーキングクラス(労働クラス)の人が多いのが実情なのです。

ちなみにベッカムは違うじゃないか、という方もいらっしゃると思いますが、ベッカムは、ワーキングクラス出身です。オペラ座でオペラやバレエを鑑賞する人やポロに興じる人たち、ケンブリッジ大卒の人々にタトゥーがある人、両家の子女でタトゥーを入れている人はまず見受けられません。

 

2. 若者・高齢者はそれぞれどう思っているの?

イギリスには、美容院と同じくらいタトゥー屋さんがあります。軽く入れられるというイメージが強いので、ちょっとだけ入れちゃえ、という感覚で入れる人が多いそうです。また、イギリスのサッカー選手がベッカムを筆頭にタトゥーを入れていたこともあり、若い人にはそれらをファッションとして入れることが多かったのですが、高齢者の人たちにはいまだにアウトサイダーなイメージがあるそうです。それが古い、と言われればそうなのかもしれませんが、ベッカムのように入れすぎるという人はどうなのか、と考えさせられてしまいますね。

 

3. 男性のタトゥーと女性のタトゥーの印象の違いは?

男性のタトゥーでも女性のタトゥーでもワーキングクラスのイメージがあります。ミドルクラス(中流階級)でも28%は一つのタトゥーなら認めるというアンケート結果が出ていますが、本当に入れているのか、というと疑問です。ワーキングクラスではタトゥーは複数入れるのが好まれるようなので、がっつりと見えるところに入れている人が多いのです。男性なら方から腕、女性は眉の刺青、肩、腰、足首、太ももなど。女性のタトゥーは美やセクシーさをアピールしています。

 

4. 就職活動に影響はある?

以前、バークレー銀行に勤めていた男性から同僚でタトゥーを入れている人がいて、びっくり~と言う話を聞いたことがあります。つまり、ミドルクラスが入れている、ということが驚きと言うことで、それは入れている人が少ないからという意味です。

実は、イギリスには表の意見(建前)と裏の意見(本音)があり、もし自分の娘でタトゥーを入れるとなれば、家族全員で大反対、と言う家が主です。また、最近は、警察、HMVなどではタトゥーが入った人は採用しないと通達されているようで、就職活動に影響してくるのは明白です。大学生が企業にインターンをするときも、初日に「タトゥーがある人は帰ってください」と言われることもあるといいます。また、看護関係の仕事も最近は「見えないところならいいけれど、おおっぴらに見えるところはダメ」と言われるそうです。

ここには、成績がいいのに、性格がいいのに、という個人は関係ありません。「会社はクライアントというものがあり、見えないところにあっても、タトウがある社員を抱えていることがわかると心象が悪い」ということでしょう。

 

5. 出入り禁止や制限を受ける事はある?

タトゥーを入れたら、高級レストランに入れない、オペラ座で観劇できない、高級ホテルに入れないなどの出入り制限はありません。ですが、高級レストランに行ってタトゥーを見ることは殆どありません。それは、イギリス人独自のルールに乗っ取っているからでしょう。

例えばそれは、高級レストランに行くと上着とタイを忘れないことのように、タトゥーを見せびらかすような格好で高級レストランやホテルに立ち入る人は見受けられません。それをもしする人がいるなら、あの有名なサッカー選手だけでしょう。もし、それを行ったとしても、イギリス人はおそらく何もいいません。ただ、レストランやホテルなどではきりっとしたお仕着せの男性がやってきて、こう囁くでしょう。「お客様、ここは紳士淑女のお集まりです。お客様のような最先端なファッションをお召しの方には、ここはふさわしくないように思いますが…」

 

6. 刺青・タトゥーの面白エピソード!

ブライトンの教会の神父様が、お説教の時に必ず自分の二の腕をまくっていたと言います。実は神父様、若いころはかなりな不良で女、タバコ、ドラックなど悪いことを散々してしまったという経歴の持ち主。神父様になるいきさつは色々あるそうですが、温和なお顔からは考えられない毒々しいタトウは「若い時の戒め」とのことです。

また、一時、流行っていた漢字のタトゥー。ヴィクトリア・ベッカムの「女力」にはそれはないだろう、と思いつつ、「安女」と漢字を腰に入れた女の子をロンドンで見たことがあり、なんかスーパーの特価みたいだね、と笑ったことはありました。

「女力」Woman Power
「安女」Bitch

というイメージらしいのですが、漢字圏の人間からするとなんじゃそれ、になるのですよね。他の友人は、誰もが振り返るような美男のイギリス男性の脚の腿に「水道管」という文字を見たと言っていましたが、なぜに水道管なのでしょう。未だに謎です。

 

まとめ

いかがでしょうか?
イギリスでは、歌手が入れていたから、サッカー選手が入れていたから流行っている、というわけではありません。そこには階級と言うものが存在し、ブルーカラーだから…という理由がつけられることもあるのです。厳しいことをいうようですが、イギリスでタトゥーを入れたいと言う方も、日本と同じような就職差別や人の目があることを理解しておいたほうがいいでしょう。

 

イギリスで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?
2. 若者・高齢者はそれぞれどう思っているの?
3. 男性のタトゥーと女性のタトゥーの印象の違いは?
4. 就職活動に影響はある?
5. 出入り禁止や制限を受ける事はある?
6. 刺青・タトゥーの面白エピソード!

 


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