インドネシアでビザを取得する時に苦労する6つのポイント

インドネシアでビザを取得する時に苦労する6つのポイント

観光やビジネスでインドネシアに行く予定のあなたに、インドネシアのビザについて、最新の情報をお伝えします。バリ島などの観光の場合には「到着ビザ」(Visa on Arrival)を購入することで入国できます。期間は30日以内でインドネシアの入国カウンターの前にビザを購入する窓口があり、US$35で購入できます。ガルーダ・インドネシア航空を利用する場合は、到着ビザを日本で支払って、機内で入国審査ができますので時間が短縮できて便利です。ビジネスや赴任など観光以外の目的でインドネシアに入国するには、それぞれの目的にマッチしたビザの取得が必要となります。今回はビザ取得について、インドネシア在住11年以上の筆者が自己の経験をもとに、ビサの種類や制約、取得までにかかる時間、金額などを詳しくご紹介します。

 

インドネシアでビザを取得する時に苦労する6つのポイント

 

1. 複雑なビザの種類

到着ビザ以外のビザについては以下のように大きく3つに分けられます。カッコの中の数字はビザの種類です。

■ 1回のみの渡航:
商談・取材(211)、研究(315)、興行(213)
滞在可能期間:30日

■ ビジネスビザ:
業務・視察・会議(212)
滞在可能期間:60日
1年以内であれば何回でも入国可能です。

■ 一時滞在ビザ:
駐在や就労(312)、退職者(319)、留学(316)、駐在員家族同行(317)
滞在可能期間:2年間

仕事でインドネシアに渡航する場合のほとんどが、ビジネスビザ(212)と一時滞在ビザの就労目的ビザ(312)になります。2〜3日間の視察や会議などには慣例的に到着ビザが使われています。

ここで一番注意して欲しいのは、ビジネスビザ(211)と就労ビザ(312)の違いです。ビジネスビザは、視察や会議を目的なので、工場内に入り生産や修理といった作業はできません。生産トラブルなどで、急遽日本からビジネスビザや到着ビザで入国した出張者が、作業や修理はできません。必ず就労ビザが必要です。入国管理局は近隣のホテルと繋がっていて、ホテルに提示した際にパスポートをコピーし、工場まで立ち入り検査します。

上記に示したビザの種類によって、制約や必要な書類、料金も変わります。

基本的なビザ取得の流れは、
1. 渡航者のパスポート、卒業証明書などを準備
2. 『本国許可書』発行申請と認可書類の受け取り
3. 在インドネシア大使館に申請
4. パスポートにビザ認可のシールが貼られビザ取得完了

となります。

 

2. あなたが準備すべき書類

ビジネスビザと就労ビザの取得で大きく違うところは、本国許可書(VTT)が必要か、必要でないか、ということですが、ビジネスビザの場合でも本国許可書があった方が取得しやすいと言われています。以下必要な書類です。

■ビザ申請に必要なもの
・申請書:必ずタイプ打ちで、折り曲げ厳禁
・パスポート:有効期限が6ヶ月以上(ビジネスビザ、就労ビザ:18ヶ月以上)。さらに空白のページが3ページ以上必要
・写真:4×3cm、4×6cm各4枚、カラー、背景色は赤、3ヶ月以内撮影
・航空券:チケットのコピー
・パーソナルヒストリー:タイプ打ちで、折り曲げ厳禁
・英文卒業証明書:専門学校以上の場合
・日本側英文推薦状:オリジナルであること
・現地からの招聘状:オリジナルまたはPDFファイルを印字したもの
・本国許可書(VTT):就労ビザは必要、その他はあった方がよい

パスポートの条件を満たしていない場合は、各都道府県のパスポート窓口で延長や増補などをしてください。

 

3. 本国許可書の取得に時間と手間

インドネシアのビザ取得で、時間と手間がかかるのがこの本国許可書(VTT)です。インドネシアの受入企業が外国人就労枠を確保しているのか、雇用契約書があるかなど、17種類もの書類と、ビザ取得者の4種類(下記に記載)の合計21種の書類を準備し、インドネシアの労働局と移民局に申請しなければなりません。そして、就労基金としてUS$1,200が必要になります。しかも、受入企業がエージェントに依頼するので、その手数料も加わります。

■ビザ取得者が準備するもの
・写真:デジタルデータ1枚
・パスポートコピー:パスポートの全ページコピー
・パーソナルヒストリー:英文経歴書
・英文卒業証明書:専門学校以上

申請から認可されるまで2つの官公庁が絡むので、この本国許可書の取得だけで通常1ヶ月から2ヶ月が必要です。さらに、入国後も外国人登録証や移民局コントロールブック、警察への届け出など、本人については6種類、受入企業には5種類の申請や届け出が必要です。

 

4. 取得のために連続4日間インドネシア大使館へ

本国許可書が認可されましたら、就労ビザの場合はオリジナルが必要なので、国際郵便等で送ってもらいます。この本国許可書が認可された日より6ヶ月以内に、申請書類をそろえて、在インドネシア大使館(東京・大阪)に申請者本人が直接窓口で申請することになっています。初日は申請書を受け取ってタイプで記入し、2日目は申請し、3日目はビザ料金の支払、4日目にビザ認可されたパスポートの受取があります。もし、申請に不備が指摘されたら、再度申請しなければなりませんし、国内情勢によってはビザが認可されない場合があります。

申請者本人が手続きをすることはできますが、会社で働いている社員にとっては効率的ではありません。実質的には手数料を払って、旅行会社やビザ取得代行会社に手続きをしてもらった方が良いでしょう。

 

5. やっぱり気になるビザ取得費用

観光目的の場合は30日以内でUS$35です。しかし、予告なしに突然変更になる可能性があります。また、それ以外のビザについては以下のようになっています。

■1回のみの渡航(211):
5,120円(現地での延長は最長6ヶ月)

■ビジネスビザ(212):
11,250円(現地での延長は不可)

■一時滞在ビザ(312):
6ヶ月以内…5,650円、12ヶ月以内…10,750円、24ヶ月以内18,410円(現地での延長は6年まで可能)
なお、手続きの代行を旅行会社などに依頼した場合は、手数料として2万5千円から3万5千円程かかります。上記のビザ取得費用も、突然変更になる可能性がありますので、最新の情報は在インドネシア大使館で確認をしてください。

 

6. ビザが許可されにくくなっている

労働大臣令として外国人労働者の要件を決めています。その労働大臣令13年12号によると以下の4つの条件を掲げています。

1.役職要件に応じた『学歴』を有していること
2.役職に応じた能力認証によって証明された能力又は『5年以上の職歴』を有していること
3.インドネシア人労働者に対し、専門性を移転する旨の表明書を作成する用意があること
4.インドネシア語でコミュニケーションを取ることができること

ビザ取得時には、4のインドネシア語の試験等はありませんので、実質的には提出書類を理解していることで条件を満たしているとみなされています。(ただし、一部金融業は除く)

ここで大切なのは「学歴」と「5年以上の職歴」という表現です。この学歴が高卒なのか、大学卒なのは明記されていないため、一部で不安が広がっています。現在の在インドネシア大使館の解釈ですと「学歴 ”または” 5年以上の職歴」とされていて、高卒であっても能力が証明されていればビザの認可をされています。しかし、インドネシア国内の失業率を減らす政策があり、ビザの取得が厳しくなる傾向があります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
インドネシアに観光の行く場合には、簡単に渡航できますが、就労ビザを取得するとなると、時間と手間とお金がかかります。そして、インドネシア国内情勢によっても、解釈によっても変わってきます。ですから、インドネシアにビジネスをしようとしている方には、ご紹介したビザ取得に関する情報を使い、時間的余裕をもって早めに行動してください。

 

インドネシアでビザを取得する時に苦労する6つのポイント

1. 複雑なビザの種類
2. あなたが準備すべき書類
3. 本国許可書の取得に時間と手間
4. 取得のために連続4日間インドネシア大使館へ
5. やっぱり気になるビザ取得費用
6. ビザが許可されにくくなっている


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