ドイツの通貨や両替事情を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント!

ドイツの通貨や両替事情を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント!

あなたはドイツでどんな通貨が使われているかご存知ですか?現在、ドイツではEU共通通貨「ユーロ」が流通しています。そのためドイツを旅行するにはユーロ通貨が必要になりますが、両替はどこでするとお得なのでしょうか。また、ユーロが流通する前のドイツではどんな通貨が使われていたのでしょうか。そこで今回は、ドイツの通貨にまつわる耳寄り情報をご紹介します。

 

ドイツの通貨や両替事情を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント!

 

1. ユーロ導入前のドイツ通貨とは?

そもそもユーロが導入されるより以前、ドイツでは長い間「マルク」が通貨単位とされていました。マルクはドイツ語で「刻印」を意味するマルク”Mark”から派生し、古ドイツ語では「通貨」を意味していると言われています。マルクの歴史をさかのぼると、金マルク(Goldmark)やライヒスマルク(Reichsmark)など、実に様々なマルクを知ることができます。マルクの補助通貨はペニヒで、1マルクが100ペニヒとされていました。

 

2. お金に価値がない?ハイパーインフレ時代

第一次大戦でフランスを筆頭とする連合国に負けたドイツは、ヴェルサイユ条約により莫大な賠償金を払わなければいけなくなりました。重要な収入源であるルール工業地帯をフランスに取られたドイツに賠償金が支払えるはずもなく、そこでマルクを増刷して賠償金を支払おうとしました。しかし皮肉にも増刷の影響でライヒスマルクの価値はどんどん下がり、国内の物価が高騰してしまいます。パンの値段を例に挙げると、1923年1月には250ライヒスマルクだったのが、年末にはなんと3999億ライヒスマルクまで上がったのだとか!このハイパーインフレ時代には通貨の発行が間に合わず、粗雑な作りの片面印刷の10兆マルク札など超高額紙幣が発行されました。その1枚に全く価値がなかったことから「パピーアマルク(Papier Mark)」、すなわち「紙のマルク」と呼ばれていたほど、お金に価値のない時代がドイツにはあったのです。

 

3. 東と西の「ドイツマルク」

第二次大戦後、ご存知の通り戦勝国によりドイツは西ドイツと東ドイツに分けられました。その時マルクも分けられて、西側では1948年からドイツマルク(Deutsche Mark)、東側では1967年から東ドイツマルク(Mark der Deutschen Demokratischen Repblik)が使われるようになりました。1989年に東西を隔てていたベルリンの壁が崩され東西統一を果たすと、1990年7月1日に東ドイツマルクが西側のドイツマルクにまとめられます。西側のドイツマルクの価値は東ドイツマルクより何倍も高かったため、東ドイツマルクから西のドイツマルクへの両替は困難を極めたそうです。現在では持っていても全く価値がないとされるこの東ドイツマルク、現在は旧東ドイツに位置するベルリン・シェーネフェルト空港の出口の床にこの硬貨と紙幣がいくつか埋め込まれています。シェーネフェルト空港を使う予定のある方は、税関を通り自動ドアを抜けて入国する際、足元を見るのをお忘れなく。

 

4. マルクからユーロへ

マルクの時代が終わると、2002年からEU共通通貨であるユーロ通貨がドイツに流通し始めました。手数料なしで換金可能とされましたが、現在ほどにユーロが浸透するには時間を要したとも言われています。補助通貨はセント(ドイツ語読みだとツェント)で、100セント=1ユーロという計算になっています。ユーロの銀色コインに比べ、セントの中には赤胴色の軽いコインも含まれています。ちなみにユーロはドイツ語だとオイロと呼ばれています。

 

5. ユーロ硬貨・紙幣の種類

ドイツに流通しているユーロのコイン・紙幣の種類は、以下のようになっています。中には裏面に特別な絵が描かれている記念硬貨も多く流通していますが、ここではオーソドックスなものを紹介します。

セント硬貨
1セント:赤胴色。1番軽くて小さく、裏面にはオークの木。
2セント:赤銅色。1セント硬貨より少し大きい。裏面はオークの木。
5セント:赤銅色。2セント硬貨よりさらに大きい。裏面はオークの木。
10セント:黄色味がかった銀色。裏面にはブランデンブルク門。
20セント:黄色味がかった銀色。裏面はブランデンブルク門。
50セント:黄色味がかった銀色。セント硬貨の中で最も大きい。裏面はブランデンブルク門。

ユーロ硬貨
1ユーロ:銀色。裏面は大きな鷲。
2ユーロ:基本銀色で、金色の部分がある。裏面は大きな鷲

ユーロ紙幣
5ユーロ:グレーがかった青色。
10ユーロ:朱よりの赤色。
20ユーロ:5ユーロ札より明るい青色、もしくは水色。
50ユーロ:明るいオレンジ色。
100ユーロ:緑色、部分的に黄緑色。
200ユーロ:黄色。
500ユーロ:紫色。

ドイツでは一般的に、50ユーロからが高額紙幣として認識されています。お店でちょっとしたものを買う時に50ユーロ以上の紙幣で出すと怪訝そうな顔をされることがあるので、その場合は心して出すようにしましょう。お店での両替は基本的にお断りされますので、細かいお金が欲しい時に敢えて高額紙幣を出すのは問題ありません。それからユーロ紙幣は円より小さいため、ドイツ産の財布だと日本紙幣が入らないことも時々あります。もしドイツで財布の購入を考えているのなら、必ず1万円札が入るかどうかを確かめてみましょう。

 

6. ドイツ版ユーロのデザイン

欧州では、ユーロを導入している国ごとにコインのデザインが違います。例えばイタリアならダ・ヴィンチの描いたスケッチが刻印されています。今日シェンゲン条約により人の行き来が自由になったため入り乱れていますが、ブランデンブルク門やワシが描かれたドイツ版ユーロコインも存在します。運が良いと記念コインが手に入ることもあり、よく見られるのはリューベックのホルステン門が描かれたコインです。他にもノイシュヴァンシュタイン城やケルン大聖堂が刻印されているものも。

 

7. ユーロを両替するには?

円からユーロへの両替は、日本の銀行や空港、金額に限りがありますが金券ショップでも可能です。多額の円をユーロに両替したいなら、ユーロの在庫に余裕のある銀行での両替をおすすめします。ドイツに来てからの両替は空港でも可能です。また、街中にもExchangeやGeld Wechselと書かれた両替所もたくさんあります。ただこういった両替所の中には手数料が高い所もあるので、両替所はいざと言う時に頼る程度がいいかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたか?
ユーロを持っていればフランス、イタリア、スペイン等へ両替入らずの旅ができるのでとても便利です。それに加えて各地の記念コインがよく流通しているため非常に集めやすく、オシャレな記念硬貨を保管して楽しむ人も数多いです。ドイツでユーロが流通してもう10年以上が経ち、もはやユーロ通貨はドイツと取っても切り離せない存在となりました。ただ昔マルクを使っていたと言うドイツ人もたくさんいて、マルクの歴史は、使われなくなった今も、ドイツに深く根付いていることがわかります。そのことを心に留めてユーロ通貨を見ると、あなたもユーロの価値を一層深く感じられるかもしれませんよ。

 

ドイツの通貨や両替事情を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント!

1. ユーロ導入前のドイツ通貨とは?
2. お金に価値がない?ハイパーインフレ時代
3. 東と西の「ドイツマルク」
4. マルクからユーロへ
5. ユーロ硬貨・紙幣の種類
6. ドイツ版ユーロのデザイン
7. ユーロを両替するには?

 


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