タイ人の名前と聞いて、あなたは1つでも思い浮かびますか?近年、人気海外旅行先top10常連ののタイ。観光地や食事、お買い物の情報は溢れていますが、タイ人にフォーカスされた情報はまだまだ少ないです。海外の文化を学ぶには、そこに実際生活している人のことを知るのが、一番の近道です。人と出会った時、最初のコミュニケーションは名前の紹介ですよね。
そこで今回は、日本と全く違うタイ人の名前やニックネーム事情についてご紹介します。これを知れば益々タイの魅力の虜になるはずです!
タイ人の名前やニックネームについて7つのポイントでまとめてみた!
1. タイ人の名前の歴史
タイ人の苗字の歴史は浅く、一般庶民に名字が登場したのは1913年のことです。実は、タイで名字制度が始まってまだ100年程度しか経っていないのです。それまでは王族や貴族のみが苗字を持つことを許されていました。
時の国王ラーマ6世が名字法を制定した際サンスクリット語(古代語、仏教などの礼拝用言語)のサンプルを配布しました。庶民たちはそのサンプルをお手本に各々が自分の好きなように名字を付けたのです。
2. タイ人によくある名字
名字の歴史からもわかるように、タイ人の名字の殆どは、先祖が好きなように付けた物です。彼らは、他人と名字が被るのを嫌がって、複雑な名字をつけました。また、王族や貴族の名前が長く、長い方が高貴であるとされていたことから、好んで長い名字を付けたのです。そのため、現在の長く複雑なタイ人の名字が誕生しました。
この背景から、タイ人には同姓が殆ど存在しないので、タイトルの「よくある名字」は「無い」というのが正解です。ちなみに、タイ人が結婚した時は名字はどうなるの?とよく疑問を持たれます。タイでは「男女どちらかの姓を名乗る」「夫婦別姓」「結婚を機に新しい名字を作って名乗る」という3択なのです。おそらく、これからも名字は増えていくことでしょう。
3. タイ人によくある名前
基本的には両親が名付けますが、敬虔な仏教徒であるタイ人は、僧侶に付けてもらうことも多いので、名前にサンスクリット語としての意味を持つ単語がしばしばみられます。
タイ人も日本人同様、子供の名前には親の希望や未来への望みを込めた単語を使う事が多いです。単語の組み合わせなので、名前のすべてが一緒になる事は少ないですが、日本人の名前に「優、大、愛、美」といった漢字がよく使われるように、タイにもよく使われる単語があります。
男性の名前によくみられるのは「チャイ=勝利、男」「ポン=力」「サマート=能力ある」といった単語を含んだ名前です。女性によくみられるのは「ポーン=幸運」「シリ=栄光」「ラット=仏・法・僧(仏教の三宝)」などです。女性の名前には、語尾の母音がaになる音、語尾を伸ばす音という特徴もよく見られます。
4. タイ人はどんなに仲良しでも本名を知らない?
ここまで見てきたように、タイ人の名前はとにかく長いです。実際、タイ人同士でも長くて覚えきれないという事もよくあるようです。長い名前の中にある各言葉は、それぞれ意味をもち、全て合わせて一つの良い意味を持つ名前となります。したがって名前を省略するという事は非常に失礼なことです。
そんな背景もあって、タイ人同士では、本名を呼びません。通常はお互いのニックネームを呼び合います。ビジネスの場では名字ではなく名前を使います。タイ人同士は、フルネームで本名を知る機会がほとんどないのです。自己紹介でも本名を名乗ることは皆無なので、古くからの付き合いで、仲の良い友人同士でも、名前を知らないという事は、タイでは当たり前のことなのです。
5. タイ人がニックネームをつける理由
本名が複雑すぎて覚えるのが大変、というのももちろん理由の一つです。しかし、タイには古くから仏教と同じくしてアニミズム信仰が根付いていました。物には全て魂があるというアニミズム信仰から、タイは現在でも「ピー」と呼ばれる「精霊」の存在が信じられています。
この「ピー」の中には、悪さをする者もいて、子供をさらっていくという風に考えられているのです。そのため、子供の実名を呼ぶと”ピーが子供の存在気づいてさらっていってしまう”と恐れていました。そこで、子供を呼ぶ時に動物や果物の名前で呼んでおいて、そこに子供がいるとはピーに気づかせない為に、ニックネームを付けるようになったともいわれています。
6. よくあるニックネーム
ニックネームを付ける理由にあったように、動物(「ムー=豚」「ノック=小鳥」)や果物(「テンモー=すいか」「マムアン=マンゴー」)などの名前をニックネームとして付けることが多かったのですが、現在では随分と様変わりしてきました。ニックネームには特別な意味を持たせることがない場合も多く、生まれた時に小さかったから「レック=小さい」3番目の子だから「サーム」というような安易なニックネームも多く見られます。
最近ではタイの国際化に伴って、英語由来も多く「ベンツ」「ティファニー」といった外資系有名ブランドのニックネームも見られるようになりました。中には「ウワン=太っている」や
7. タイ人は頻繁に名前が変わる?
タイ人は自分の名前によってが運命が決まると考えています。そのため「良い意味を持った名前」に非常にこだわります。日本では名前は一生モノ。改名はよほどの理由がない限りは行われませんし、手続きも煩雑です。
ところがタイでは、簡単に改名ができます。身分証明書を持って役所に行き、数百円程度の手数料を支払えば、改名の手続きは完了です。ですから、「最近いいことがないなー」と思ったら、名前変えて運気を変えよう、というのがタイ人の発想です。
また、名前だけではなく、名字も変えられるので、親子で名字が異なる場合もあります。生活するうえで本名を使う事はまずないので、名前が頻繁に変わっても特別な不便はありません。
まとめ
いかがでしたか?
親日としても有名で、日本人にも親しみ深いタイですが、名前一つとっても、ここまで異なる常識があります。文化を学ぶことは人を学ぶこと。興味を持った国の人々の背景を勉強することで、より深くその国の文化を学ぶことができます。
今回はタイ人の名前にまつわる興味深いポイントをいくつかご紹介しました。これまでよりも少し、タイを身近に感じてもらえたら嬉しいです。
タイ人の名前やニックネームについて7つのポイントでまとめてみた!
1. タイ人の名前の歴史
2. タイ人によくある名字
3. タイ人によくある名前
4. タイ人はどんなに仲良しでも本名を知らない?
5. タイ人がニックネームをつける理由
6. よくあるニックネーム
7. タイ人は頻繁に名前が変わる?