韓国人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

(flickr By At the margins)

韓流ブームを契機に日本でも日常的に韓国人の名前を耳にすることが多くなりました。しかし、私たち日本人は韓国人の名前について知っているようで知らないことがたくさんあるのも事実です。韓国人の名前にはよくある名前があるのか、あるいは韓国人の姓について知りたい、さらには韓国人のニックネームのつけ方に特徴があるのか気になる、そんなあなたのために、今回は韓国人の名前について7つのポイントでまとめてみたいと思います。

 

韓国人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

 

1. 日本の「夫婦別姓」と韓国の「夫婦別姓」は違う

よく「夫婦別姓」について日本で議論する際に、「韓国では伝統的に夫婦別姓だ」と言われることがありますが、日本で言われるところの「夫婦別姓」と韓国で夫婦が「別姓」であることとはそもそも名前の仕組みが日本と韓国で異なるため、同列に論じることができない問題なのです。その理由は日本の苗字(氏)と韓国の姓とはまったく仕組みやその文化的背景が異なるからなのです。つぎにその問題についてくわしくみてみたいと思います。

 

2. 苗字のない韓国人

驚くかもしれませんが、韓国人にはじつは苗字がありません。それを理解するためにはまず、そもそも日本人の苗字が何なのかについて知っておく必要があります。日本人の苗字は別名「氏(うじ)」と言われ、夫婦とその子供によって形成された集団としての「イエ」につけられた名称です。このため、婚姻関係によってその「イエ」の一員となった場合には、もともと所属していた「イエ」の名称から新たに所属することになった「イエ」の名称に改める、ということが行なわれます。

このような「イエ」という概念は日本独自のものであり、韓国には存在しませんでした。そのため、日本のような「イエ」の名称としての「苗字」が韓国人にないのは当然のことなのです。

 

3. 苗字とは違う!韓国人の「姓」

私たち日本人の多くが韓国人の「苗字」だと誤解している「金」や「李」というのは「姓(성 ソン)」と言い、日本の「氏」とは異なります。そのため、韓国では「氏名」とはいわずに「姓名」と言います。

韓国の「姓」というのは日本の苗字のように「イエ」につけられたものではなく、男系血統集団(これを韓国では「宗族(そうぞく)」といいます)につけられた名称なのです。このため父親の「姓」を子供たちは男女とも引き継ぎ、婚姻後も父親が変わるわけではないので男系血統集団の名称としての「姓」は従来のままです。ですので、夫婦がそれぞれ各自の父親の「姓」を名乗るので韓国で夫婦が「別姓」となるのは当然のことなのです。

したがって韓国の「夫婦別姓」は男女平等の原則によるものではなく、伝統的な儒教道徳として父系の血統を尊重する思想に由来するものです。このため、最近では男女平等社会への願望や父母をともに大切にしたいという想いから、法的には認められませんが通称として、たとえば「金李」のように両親の名前を並列して「姓」として用いている人もいます。新しい「姓」のスタイルとして反発もなくはないですが韓国社会で徐々に受容されつつある文化です。

余談ですが、日本の場合は厳密には「夫婦別姓」というよりも「夫婦別氏」と言うべきかもしれませんね。

 

4. 姓とセットになった「本貫」

姓と関連して韓国人の名前を考える上で重要になるのが「本貫」というものです。これは男系血統集団である宗族の始祖の出身地を表すもので、本貫が「金海」であれば、その始祖が金海の出身だということになります。

姓が同じで本貫が同じことを「同姓同本」といって、同族とみなされます。姓が同じであっても本貫が異なれば別の宗族となります(ただし、同姓異本や異姓同本の中には、互いに同族とみなす場合もあります)。

宗族を呼称する場合、姓の上に本貫つけて呼びます。たとえば、本貫が金海で姓が金である場合には「金海金」、本貫が全州で姓が李である場合には「全州李」と呼びます。普通は、そのあとにさらに「氏」を附して「金海金氏」、「全州李氏」のように呼びます。これは「姓」ですが、このように呼ぶ場合には慣用的に「氏」をつけます。もちろん日本の氏(うじ)とは違います。

そして、男系血統の系図である「族譜(족보 チョッポ)」が作成されます。これには名前とともに官職なども記されていて、祖先の偉業やみずからのルーツを示すものとして大切にされています。

 

5. 韓国でよくある姓&韓国にもある二文字の姓

日本であれば鈴木さんや田中さんといった苗字の人がたくさんいますが、このように韓国の姓にもよくある姓があるのでしょうか?

いちばん多い姓は金(김 キム)で、李(이 イ)・朴(박 パク)・崔(최 チェ)・鄭(정 チョン)・姜(강 カン)と続きます。金だけで韓国の全人口の5分の1にもなり、これら上位の5つの姓で全人口の半数にのぼります。確かに韓国の芸能人にもこれらの姓が多いですよね。韓国の姓が日本の苗字よりも種類がはるかに少ないにせよ、非常に偏りのある構成になっているといえるでしょう。

また、韓国の姓には一文字ばかりでなく二文字の姓も存在します。これは「複姓」と呼ばれるもので、近年に外国からの帰化した人たち姓を除けば、中国から伝わったものと考えられます。たとえば、南宮(남궁 ナムグン)、鮮于(선우 ソヌ)、諸葛(제갈 チェガル)、皇甫(황보 ファンボ)といったものがあります。

 

6. 韓国人の名前を語る上で外せない「トルリムチャ」

韓国の名前で男兄弟同士で同じ漢字が名前に使われていることがよくあります。宗族のあいだで何代目かを判別しやすいように、兄弟・いとこといった同じ代で統一した漢字1文字をつける名前の慣習によります。これを「トルリムチャ(回し字)」と呼びます。その決め方はさまざまですが、陰陽五行説における5つの要素「木・火・土・金・水」の順に、それが含まれる漢字を代ごとに使用することが多いです。

伝統的な命名法として定着してきたトルリムチャですが、これを採用すると残り1文字だけしか自由に決められないということもあり、また近年は韓国固有の単語(ナラ、サラン、イスルなど)を名前にするケースも増えていることから、この習慣に縛られない親も増えています。

 

7. 名前に由来するニックネームはあるの?

韓国では儒教文化を重んじるため、両親や祖父母がつけてくれた名前を弄ぶことは基本的にタブーでした。例外として親など身内でも目上の人などが上のトルリムチャを外したもう一文字だけで呼ぶことはありました。たとえばヨンギとミンギという兄弟がいたとすると、トルリムチャの「ギ」をとって、それぞれ「ョン」「ミン」というように呼びます。

最近では、若者のあいだで姓と名前の一文字目だけを呼びかけるときに使う例があります。たとえば、キム・ヨンジュという名前であれば「キムヨン」というような形です。しかし、これもニックネームのように他人同士で話すときに使われることはまずなく、本人に呼びかけるときに冗談ぽく使われるので、いわゆるニックネームとは異なります。

韓国人から見て「外国人」である私たちの場合、自分の名前を大切にする韓国人の名前をやたらにいじってニックネームをつけるということは(日本の文化を理解しているような韓国人は受け入れる場合もありますが)、たとえそれが親しみの気持ちから出たものであったとしても避けるほうが無難だといえるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
韓国人の名前には宗族といった韓国の血族制度や儒教の精神、陰陽五行説といった伝統文化が息づいていることがお分かりいただけたでしょうか?自尊心を大切にする韓国人にとって名前は自分自身そのものであり、また名づけてくれた両親や祖父母への想いがつまったものとして韓国人は非常に大切にします。ですので、それについてからかったり、茶化したりされることは日本人以上に傷つくことであることを覚えておく必要があります。

あなたも好きな韓国芸能人や韓国人の友達あるいは恋人の名前から、その一族の歴史や名前に込められた親の願いについて思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

 

韓国人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

1. 日本の「夫婦別姓」と韓国の「夫婦別姓」は違う
2. 苗字のない韓国人
3. 苗字とは違う!韓国人の「姓」
4. 姓とセットになった「本貫」
5. 韓国でよくある姓&韓国にもある二文字の姓
6. 韓国人の名前を語る上で外せない「トルリムチャ」
7. 名前に由来するニックネームはあるの?

 


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