韓国大好き!韓国の兵役義務をきちんと知る為の7つの知識

(flickr By Expert Infantry)

韓国の芸能ニュースを見ていると、しばしばお目にかかるのが男性芸能人の兵役のニュースです。ご存知のように朝鮮半島は南北に分断されて南北双方が対立し、厳しい軍事的緊張状態にあります。このため韓国では成人男子を対象として徴兵制がとられています。ほとんどの韓国人男性には軍隊経験があり、軍隊経験がない男性や女性でも家族や友人が兵役で軍隊にいる、ということは韓国社会ではごく一般的なこととなっています。このため韓国の人たちと交流する上で韓国の兵役について基本的なことをきちんと知っておくことはとても重要です。そこで今回は、韓国の兵役義務をきちんと知る為の7つの知識をご紹介したいと思います。

 

韓国大好き!韓国の兵役義務をきちんと知る為の7つの知識

 

1. 韓国の徴兵制って?

韓国の男性は、18歳になると徴兵検査対象者として19歳までに兵役の適性検査を受けます。その結果に問題がなければ30歳になるまでに一定期間(約2年間)、軍隊に入隊して兵役に就くことになっています。これは韓国国民の義務とされ、拒否や逃亡をした場合は法によって罰せられます。なお、検査の結果によっては現役兵としてではなく、公的機関などに勤務する「社会服務要員」、有事の場合のみ出動する「第2国民役」として任務に就く場合もあり、さらに心身の健康に問題があったり脱北者である場合などは兵役が免除されます。

 

2. 履歴書に兵役満了を問う欄が

韓国で就職活動をしたことのある方ならご存知でしょうが、韓国では就職活動で使う履歴書には兵役を済ませたか否かについて記入する欄があります。兵役を済ませていない場合には雇用中に軍隊に入隊してしまうことがあるためで、せっかく採用した人材が途中で職場から抜けてしまうことがないよう、採用する側としては確認しておきたい事柄であるからです。企業は採用にあたって兵役未満了者を忌避するため、韓国では学生時代に兵役を終えてしまう人がほとんどです。これにともなって、韓国の男子大学生の卒業年齢も兵役で休学した分上がりますので、20代後半の男子大学生は珍しくありません。また、兵役に就いていた際の所属部隊についてまで記入を求めるものもあります。これは、部隊での個人の経験や人脈を把握し、採用にあたっての参考にしようとしているのです。

 

3. 軍隊経験を重視する韓国社会

上の履歴書でもそうですが、韓国社会では軍隊での経験を非常に重視します。多くの韓国男性は兵役にはできれば行きたくないと考えつつも「しかたのないもの」と考えています。「男は軍隊に行ってこそ一人前」「義務を果たしてこそ男」という意識が強くあります。軍隊経験を通じて国を愛する心や両親・家族への愛、自立など多くのことを学ぶことで人間的に成長できるのだ、という考えが韓国社会に幅広く浸透しているからです。また、軍隊生活を経験した男性同士は軍隊時代の苦労を共有しているので、初対面でもこの話題によって親密になる、ということもあります。韓国社会において軍隊での苦労話は男性同士の結束を固くする、女子禁制の「ボーイズトーク」の定番なのです。

 

4. 軍隊に行かない=一人前でない!?

一方で、上のように軍隊経験を重視する韓国社会では兵役に就かなかった/就けなかった人を一段低く見る、という風潮もまた表裏一体となって存在しています。すなわち「男は軍隊に行ってこそ一人前」という考えは同時に「軍隊に行かない男は一人前ではない」という考えを一方で生み出しているのです。ですが、日本の韓流ブームの火付け役となったョン様ことペ・ヨンジュンは視力が問題となって兵役が免除されています。日本の私たちからすれば、彼の紳士的で男らしい立ち振る舞いは典型的な「一人前の」韓国男子だと感じられますよね。このような兵役についての固定観念は現代の韓国社会において意識改革を迫られているものの一つではないかと思います。

 

5. 兵役を忌避する人たち

韓国のニュースを見ていると、時々有名人やその子弟が「兵役逃れ」をして検挙された、という報道があります。兵役の義務を重視している韓国社会では、兵役から逃れることは法的にはもちろん、社会的にも制裁をうける「犯罪行為」なのです。それが国民の模範たるべき政治家や著名人であった場合には、その批判はその分大きくなります。他方、信仰や反戦思想を根拠として積極的に兵役を拒否しようとする人も少数ながら存在します。兵役の義務がある外国で認められている「良心的兵役拒否」ですが、韓国では議論されることはあるものの認められていません。いかなる理由があっても兵役の義務には服するべき、これが現在の韓国社会の基本的なありようです。逆に外国の永住権をもつ韓国人のなかには免除対象であるにも関わらず、希望して兵役に就く人もいます。

 

6. 「義務警察」って何?

最近、東方神起のメンバー・チャンミンが義務警察に入隊したことが話題となりました。これは軍隊で兵役に就く代わりに、警察の業務を行なうもので、現役兵対象者のなかから志願し、厳しい選抜の末に勝ち抜いた者が「義務警察」となります。主な業務は政府機関の警備、過激なデモの鎮圧など日本でいう機動隊のような任務となります。24時間管理される軍生活とは異なり、勤務時間以外は帰宅できるなど、一定の自由があります。さらにはその後、警察への就職がしやすくなるという話もあり、近年その人気が高まって、競争率も急増しています。つまり、かれらは韓国の兵役制度におけるエリート集団と言えるでしょう。

 

7. 徴兵制の背景

日本には存在せず、韓国にはある徴兵制。韓国ではその近現代史において日本による植民地支配や北による侵攻によってはじまった朝鮮戦争など、外部からの攻撃によって国の存立を脅かされる経験をしてきました。今日の韓国では植民地支配も北による侵攻もいずれも軍事的な備えが不十分であったために、なすすべがなかったからだと考えられています。そして、だからこそ平素から全国民が国防意識をもち、十分に備えなければならないという考え方が浸透しています。日韓の歴史的関係の微妙な問題をもはらんでいるため、韓国の人たちと徴兵制について話す際には日本の常識だけで意見を述べるだけでなく、このような背景の違いも意識する必要があります。

 

まとめ

いかがでしたか?
韓国男子にとって「必須」とされている兵役の義務は韓国社会を語る上で避けては通れないものです。大好きな芸能人や韓国人の彼氏が入隊している、というあなたもその実情について気になることでしょう。日本とは事情がかなり異なるため、韓国の徴兵制について基本的な知識を身につけた上で韓国の人たちとコミュニケーションをすれば、もう一歩、深い韓国に触れることができるのではないでしょうか?

 

韓国大好き!韓国の兵役義務をきちんと知る為の7つの知識

1. 韓国の徴兵制って?
2. 履歴書に兵役満了を問う欄が
3. 軍隊経験を重視する韓国社会
4. 軍隊に行かない=一人前でない!?
5. 兵役を忌避する人たち
6. 「義務警察」って何?
7. 徴兵制の背景

 


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