英検とTOEICの差は?TOEIC重視の企業が増えた6つの理由

英検とTOEICの差は?TOEIC重視の企業が増えた6つの理由

英語の能力を証明する資格試験と言えば、やはり英検とTOEICではないでしょうか。この二つの試験は、それぞれ異なる特色を持っています。出題形式もさることながら、受験者層や受験する目的、証明する能力などにおいても異なります。2014年の受験者数は、英検(英検IBA、英検Jr.を含む)が約260万人、TOEICが約240万人でした。人数だけを見ると、英検のほうがTOEICよりも人気があるようにも思えますが、実際に企業が英語力の証明として重視するのはTOEICのほうです。一体どうしてなのでしょうか。今回は、TOEICを重視する企業が増えた6つの理由についてご紹介します。



 

英検とTOEICの差は?TOEIC重視の企業が増えた6つの理由

 

1. 即戦力ツールとしての英語

英語の能力を評価する切り口は、使用する場面や目的などに応じて、多種多様に考えられます。英検は広く日常生活で使用される、読む・聞く・話す・書くという4技能を万遍なく評価することに特徴があります。いわば「総合的な英語力」を測定する試験です。これに対してTOEICは、主にビジネスシーンでよく見聞きする素材(Eメールや職場での会話など)を問題に使用します。そのため、英検と比べると、ビジネス英語の側面が非常に強く、その分野に特化している印象を受けます。実際に問題の中で使用される単語やフレーズは、ビジネスシーンでよく使われるものです。そういう英語は、海外業務においては、言わば即戦力ツールとなります。ですから企業としては、「生」の英語能力を測定することのできるTOEICの方をより重視したいと考えるのかもしれません。

 

2. 事務処理能力も測定する

英検は級によって試験時間や問題数が異なりますが、時間管理はTOEICほど厳しくはありません。例えば英検の上位級の長文読解の問題は、大学受験の問題と同じように、難易度の高い文章を、時間をかけて精読した上で、比較的少ない問題をじっくり考えて解くような問題です。これに対してTOEICは、問題量が多いことがその特徴とも言えます。受験者は、2時間の試験時間の中で200問もの問題を解かなければなりません。しかも、受験者のレベル分けはなく、全員が同じ問題を解きます。特にリーディングパートの読解問題では、問題自体はそれほど難しくないにもかかわらず、その分量ゆえに、英語上級者であっても最後まで解くことは容易なことではありません。つまり、高得点を取るためには、早く、正確に解くという能力が必要です。この能力は、仕事をする上でも重要な「事務処理能力」です。ですから企業の採用者が、「TOEICのスコアが高い人は、実際の仕事の事務処理能力も高い(=仕事ができる)だろう」と推測したとしても、不思議なことではありません。

 

3. より詳細な英語力の測定

そもそもTOEICは、まだ英検が1級から4級までの4レベルしかなかったときに、もっときめ細かい英語力を測定したいという企業からの要望に応える形で作成されたものです。例えば、英検の準1級と1級の間には大きなレベルの差があると言われています。けれども英検では、準1級と1級の間に他の級が存在しないため、ぎりぎりで受かった準1級合格者と、英検1級合格まであともう少しのレベルにある準1級合格者が、同じ「準1級合格」という評価になります。一方TOEICでは、受験結果を10点から990点までの間で5点刻みの点数で表示するため、受験者の英語力をより詳細に評価することができます。

 

4. 受験機会が多く、1か月で結果が分かる

TOEICの公開テスト(受験者が会場に行って受験するテスト)は、年間10回も実施しており、英検の年間3回に比べて圧倒的に多いです。これは受験者側のメリットでもあるのですが、社員の英語力を素早く測定したいという企業側のニーズも満たします。TOEICの公開テストは一年を通していつでも受験の申し込みができ、受験後は約1か月後に結果(公式認定証)が送られてきます。インターネットで申し込みをすれば、約3週間後にインターネット上で結果を見ることができます。ちなみに、3級以上に二次試験(面接試験)を課す英検では、一次試験受験後、合否結果が出るまでは6週間程度の時間がかかります。

 

5. 社内受験で一元管理

TOEICには、公開テスト以外にも団体特別受験制度(IPテスト)があります。学校や企業の内部で行う団体受験の制度です。公開テストのように日程が決まっているものではなく、学校や企業の都合に合わせて随時行うことができるテストですが、試験の内容や結果の価値は、公開テストと変わりはありません。内部で行うことができるテストですので、社内の全社員に受験を課し、その結果を会社がすべて把握・管理することもできます。受験人数10人以上で実施することができるということもあり、公開テストの受験人数よりもIPテストの受験人数のほうが多いのが現状です。英検も団体受験の制度はありますが、利用している機関の多くは学校や学習塾ですので、受験者のほとんどは学生です。

 

6. スピーキング、ライティング能力も測定できる

TOEICはリスニングとリーディングの2つパートからなっており、これまでは、英検のようにスピーキングやライティングの能力を計ることはできませんでした。しかし2007年から、通常のTOEICの他に、その二つの能力を測定する「TOEIC S&W」という試験が始まりました(2016年1月からは、スピーキングのみの試験、「TOEIC Speaking」も開始)。TOEIC S&Wの2014年の受験者は約24,000人と、通常のTOEICと比べるとまだまだ少ないのが現状ですが、受験者数は年々増加する傾向にあります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
まとめると、英検はそのレベルに応じて受験者の総合的な英語力を測定することができるテスト、TOEICは主にビジネスシーンで使用される、より実践的な英語力を測定することができるテストと言えそうです。TOEICは、今年の5月の公開テストから試験の出題形式の一部が改訂されることが決定しています。リスニングの問題では、今までなかった3人の会話を聴いて答える問題や、図を見ながら解く問題が追加され、リーディングの問題では、チャット形式のテキストを読んで解く問題が取り入れられるなど、時代に合わせた、より実際的・実践的な内容へと変化します。より正確な実践的英語力の測定につながるこのような改革は、海外事業を展開する企業の望むところでしょう。このような点からも、企業はビジネス英語力を証明する一つの指標として、今後もますますTOEICを重視していくものと思われます。

 

英検とTOEICの差は?TOEIC重視の企業が増えた6つの理由

1. 即戦力ツールとしての英語
2. 事務処理能力も測定する
3. より詳細な英語力の測定
4. 受験機会が多く、1か月で結果が分かる
5. 社内受験で一元管理
6. スピーキング、ライティング能力も測定できる

 


あなたにおすすめの記事!



この記事をみんなにも知らせよう!