ベルギービールが世界で人気な8つの理由

ベルギービールが世界で人気な8つの理由

あなたはベルギービールのことをどのぐらいご存知ですか。日本国内でも手軽に飲めるようになり、ますます身近な存在になってきたベルギービール。他のビールとはひと味違うこの味は既に世界中で愛されています。そこで今回は、ベルギービールが世界で人気の理由を8つのポイントに纏めてご紹介します。

 

ベルギービールが世界で人気な8つの理由

 

1. ベルギービールの始まりは修道院

「天国に酒はない、生きているうちに飲め」とは、ベルギーのトラピスト会修道院の格言だそうです。修道院らしからぬ格言ですが、実はベルギービールは修道僧たちが造り始めたことが起源とされているんです。水によって蔓延する疫病が多かった中世ヨーロッパでは、沸騰させて発酵をしたビールは安全で、しかも、長期間の保存ができ、命の水として尊ばれたようです。現在も修道院が造るトラピストビールは非常に有名ですが、トラピストビールを名乗ることができるのは、世界でもたったの8か所。しかも、それらのうち6か所がベルギーにあるんです。

 

2. ベルギービールの銘柄は800種類を超える

ベルギーには175もの醸造所があり、銘柄は800種類を超えると言われています。どうして、こんなにもベルギービールは銘柄が多いのでしょうか。それは緯度の関係でブドウがなかなか作れないため、ワインではなくビールが多く作られたという経緯があるようです。隣国フランスの食卓の飲み物と言えばワインですが、食にこだわるベルギー人にとってはワインにとって代わるものが必要だったことは間違いありません。ですから、多様なハーブやスパイスを加え、様々な料理に合うビールを造り出していったと考えられます。

 

3. 多様なベルギービールの種類

ベルギービールは、どの地方で造られたものなのか、どの醸造所で造られたのかという要素も含めて分類を考えなければならず、それはほぼ不可能とも言われています。しかし、わかりやすくするために、ここではビールの製法によって3つに分類してみましょう。

(1)下面発酵…摂氏5℃以下の低温でゆっくりと発酵させる製法。大量生産することができ、日本国内で生ビールとしてよく飲まれているのは、このタイプです。よく冷やして飲まれ、キレのある喉越しが特徴的です。

(2)上面発酵…15〜25℃の高温で発酵させる製法。トラピストビールも上面発酵で醸造されています。甘みがあり、フルーティな味わいが特徴的です。

(3)自然発酵…上面発酵の一種で、20℃ほどの高温で空気中の微生物等を利用し、自然発酵させる製法。野生酵母を使用した自然発酵ビールはランビックと呼ばれ、強い酸味が特徴的です。

ベルギービールで特徴的なのは、上面発酵の種類がとても豊富なことと、ブリュッセルの南西でしか醸造することのできないランビックの存在です。日本で一般にベルギービールと言う場合には、その2つを指していることが多いようです。

 

4. ベルギービールには銘柄ごとにグラスがある

ベルギービールには、それぞれの銘柄ごとにロゴ入りの専用グラスがあります。そのビールを最高な状態で味わうために考えられた形状なので、異なる形のグラスで飲むと、味、香りも変わってしまいます。グラスには、聖杯、フルート、バルーン、チューリップ、ジョッキなどがあり、例えば聖杯型は飲み口が広く、芳醇な香りが楽しめるようになっており、チューリップ型は口の下にあるくびれの部分で泡を締めて、泡を保つ工夫がされています。また、グラス以外にコースターも銘柄専用のものがあります。デザイン性に優れたものが多く、旅行の思い出に集めてみるのもおすすめです。

 

5. 世界的にベルギービールを広めたのは、マイケル・ジャクソン

今や世界的に人気の高いベルギービールですが、1900年代中頃まではあまり知られておらず、1957年にEC(欧州共同体)の本部が置かれ、やっと国外にも知られるようになります。更に、世界中にベルギービールを広めたのは、マイケル・ジャクソン。「まさか、あのポップの帝王のマイケルが!」と思われるかもしれませんが、同姓同名のビールハンター、「ホップの帝王(King of Hop)」ことマイケル・ジャクソン氏です。彼の著作である「世界のビール案内」を皮切りに、世界中にベルギービールが広まっていきました。

 

6. 日本で人気のベルギービール

日本ではどのようなベルギービールが人気なのでしょうか。豊富な種類の中から日本で特に人気の3銘柄をピックアップしてご紹介します。

・オルヴァル
アルコール度数6.2%。その名のとおりオルヴァル大修道院で製造されるトラピストビールです。修道院の泉の湧水が使われています。トラピストビールの最高峰と言われ、前述のマイケル・ジャクソンも最高ランクに位置づけています。コクのあるビールで、さわやかな苦みがあり、飲み終わった後の余韻が短いのが特徴的です。ハーブなどを使った濃厚なソーセージが合うようなイメージです。

・デュベル
アルコール度数8.5%製法は上面発酵。「Duvel」とは、古いオランダ語の方言で「悪魔」の意味です。クリーミーな泡に口当たりのよさに加え、ほのかな甘い香りがあり、キレのよさ、まろやかさを同時に感じることのできるビールです。デュベル専用のチューリップグラスで飲むと、グラスに意図的に施した小さな傷によって、泡が大変きめ細かくなります

・ヒューガルデン・ホワイト
アルコール度数4.9%。製法は上面発酵。日本で最も有名なベルギービールの1つで、ホワイトビールの代名詞とも言われています。コリアンダー、オレンジピールなどが原材料として使用され、爽やかでフルーティ、夏に喉が渇いているときに一気に飲むのにぴったりなビールです。

 

7. ビールが苦手でも楽しめるフルーツビール

ビールが好きではない、そんなあなたに試していただきたいのは、クリークです。自然発酵ビールにサクランボを加えたものですが、甘酸っぱくさわやかで、まるでスパークリングワインのような味わい。色味は鮮やかな透き通った赤で、きめ細やかなピンク色の泡が特徴的です。クリーク以外にも桃、木イチゴ、青リンゴ、グレープフルーツなど、色々な果物を使ったビールがあります。

 

8. ベルギーで味わう、ベルギービールのイベント

ビール大国ベルギーでは、数々のビールのお祭りが開催されているので、旅行のタイミングに合わせて、参加してみましょう。ブリュッセルでは毎年9月に、世界遺産のグランプラスでベルギービール・ウィークエンドというイベントが開催されています。約40の醸造所が集まり、ビールとともに音楽も楽しめるイベントになっています。このほかにも、4月にはルーヴェン、5月にはアントワープ、12月にはエッセンでクリスマス・ビール・フェスティバルが開催されます。

 

まとめ

いかがでしたか。
ベルギービールの魅力は文字では伝え切れないかもしれませんが、一口飲めば、きっとあなたも虜になるに違いありません。ベルギーで飲むと、国内で輸入ビールを飲むのが悲しくなるぐらいに安く飲むことができますので、ベルギーを訪れた際にはここぞとばかりに飲みましょう。自分の好みがわからないという場合でも、ブリュッセルのDelices & Capricesなど、テイスティングをさせてくれるビールの専門店もありますので、自分のお気に入りのビールを見つけることできます。美食の国で最高の料理とベルギービールのマリアージュを楽しみましょう。Sante(乾杯)!

 

ベルギービールが世界で人気な8つの理由

1. ベルギービールの始まりは修道院
2. ベルギービールの銘柄は800種類を超える
3. 多様なベルギービールの種類
4. ベルギービールには銘柄ごとにグラスがある
5. 世界的にベルギービールを広めたのは、マイケル・ジャクソン
6. 日本で人気のベルギービール
7. ビールが苦手でも楽しめるフルーツビール
8. ベルギーで味わう、ベルギービールのイベント


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