スイスではサマータイムが終了し時計の針が1時間変わると、街でクリスマス商品の売り出しがスタートします。日本ではキリスト教の聖誕祭というよりも、サンタクロースとトナカイから成る”クリスマス”という文化、そして恋人たちが楽しむイベントとしてら出来上がっていますよね。一方、スイスのクリスマスは大事なファミリーイベントの1つで、子供も大人も家族みんなで楽しむ温かい時間です。
そこで今回は、スイス在住の筆者が、現地の人がどのようにクリスマスまでの日々を過ごしているのか、どんなものが欠かせないのかなど、スイスのクリスマス事情についてご紹介します。
スイスのクリスマスはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!
1. いつ頃からクリスマスを意識するのか?
スイスではクリスマスイブまでの準備期間を意味する4週間”アドヴェントシーズン”に入ると、家庭ではお母さんを中心にクリスマスツリーを始めとしたキャンドルや置物などのデコレーションを始めます。街の中でもデコレーションに加えてイルミネーションが点灯し、クリスマス気分が徐々に高まっていきます。家庭によってはアドヴェント一週目にはツリーのライトだけ付けて、二週目にあれを置いてこれを掛けてなどと、週ごとにデコレーションを加えていったり、てっぺんの飾りはお父さんが付ける!などのように、各家庭によって準備の仕方は様々です。
またこの頃からスーパーには色んな種類のクリスマスクッキーが盛りだくさんに並んでいるのでクリスマスが来るぞと感じられます。中でも世界でもっとも歴史の古いスパイスの1つ”アニス”のクッキーはほんのり甘く独特な香りを持ち現地の人の大好物です。
2. Advent Calender アドヴェントカレンダー
子供達の楽しみは、日本でもお馴染みのアドヴェントカレンダーです。大体が12月1日〜24日までとした24個の窓があり、毎日1つずつ開けてクリスマスまでの期間を楽しみます。中にはチョコレートやお菓子、時には小さなおもちゃなどバリエーションも様々です。
筆者が初めてスイスでクリスマスを過ごした時もスイス人の夫が小さい頃から使ってきたお手製の布のアドヴェントカレンダーにチョコレートを入れて待ってくれていました。最初の二週間分はチョコに加えて落花生の割合が多かったですが、後半はリンツなどの高級なチョコレートが沢山現れてきて、毎朝チェックするのを楽しんだものです。大人向けには毎日変わる風景や写真、詩の一節が書かれているカレンダーもあるようです。
3. Weihnachtsmarkt クリスマスマーケット
年に一度の特別なイベントのクリスマスマーケット!クリスマスイブまでの約1ヶ月間、スイスの主要都市や小さな村で開催される伝統的な市です。1年の締めくくりとなるこのシーズンに家族や友達、カップル同士のように大切な人と訪れます。ツリーやタワーが飾られた広場や通りには屋台が立ち並び、色とりどりのオーナメントやクリスマス用のお菓子を買い求める人で賑わいます。この時にクリスマスプレゼントを買い揃えたり、クリスマスマーケットならではの屋台フードを楽しみます。
ほとんどのクリスマスマーケットの開催日程が11月23日〜12月23日までなので、お休みもとりやすく、仕事が忙しくても仕事途中やランチ代わり、ディナー代わりにもなって、行ける時に誰もが楽しめるようになっているところが良いなと感じます。スイスにも、またドイツにもたくさんの開催地があるので毎年違う場所のクリスマスマーケットに行って自分のお気に入りの場所を見つけるのも楽しみの一つです。
〜スイス主要都市のクリスマスマーケット開催日程〜
チューリヒ 11/23-12/23
ベルン 12/2-12/24
バーゼル 11/23-12/23
ローザンヌ 11/23-12/31
ルツェルン 11/23-12/24
4. クリスマスマーケットのおすすめドリンク!
あなたがクリスマスマーケットを訪れた時にぜひ飲んで欲しいのが、グリューワインです。赤ワインや白ワインにスパイスを加え、砂糖や蜂蜜で味付けした甘いホットドリンクです。お酒が苦手な筆者も大好きな身体温まるドリンクで、マーケット巡りには欠かせません!
また開催都市それぞれのカップも素敵で、グリューワインカップのコレクターをしている人もとても多いです。買った時の値段にはカップ代も含まれているので、飲み終わった後にお店に返すとお金が帰ってきますし、気に入ればお土産にそのまま持ち帰ることができますよ。悪酔いもしないので、時間を空けて赤と白の両方を飲んでみてください。
5. クリスマスの過ごしかた
クリスマスマーケットもとことん楽しみ、美味しい屋台フードも食べてホットワインも飲んだ、お買い物もして無事に迎えるクリスマスイブをどう過ごすのか。実は、街には人があまりいません。みんな家の中で過ごします。スイスでも祝日にあたるのでどのお店も閉まっていますし、家族でどこにも出かけずお家でディナーを共にし、プレゼント交換をするのがポピュラーです。
日本にいるとクリスマスと言えばやはり、24日と25日がメインとなりこの二日間にパーティーをしたりお出かけをしたりとしますが、スイスでは逆にクリスマスイブとクリスマスはひっそりとキャンドルの灯りの中過ごします。そしてイブが終わり25日の0:00を迎えると、真っ暗闇の中、家族で教会に行きクリスマスの礼拝に参加するのが一般的です。普段教会にあまり行かない人でもクリスマス礼拝には参加することが多いです。
6. クリスマスの食事
クリスマスに食べるメニューは家庭によって様々かと思いますが、やはり三大スイス家庭料理のチーズフォンデュ、スイス風しゃぶしゃぶのフォンデュ・シノアーズ、ラクレットをする家族が多いです。シャンパンで乾杯をして、七面鳥やお肉の煮込み料理など、そのお家のお母さん又はおばあちゃんの十八番が登場します!
筆者の嫁いだスイス家族では毎年クリスマスイブはお母さんの担当でラクレットとフォンデュ・シノアーズの合体版のディナーに加えてデザートはチョコレートムースが定番で、クリスマス当日はおばあちゃんの担当でお肉のグリル料理とポテトグラタンと毎年お決まりです。
まとめ
いかがでしたか?
スイスでクリスマスとなると、やはり年の暮れともなり家族と一緒に過ごすことが大事だと感じさせられます。スイス人にとってキリストの復活祭を祝うイースターから始まり、8月1日の建国記念日、そして3番目の大きなイベントのクリスマスシーズン。気候的には雪が積もらないとはいえとっても寒いですが、その寒さを忘れさせてくれる温かい雰囲気が感じられます。
冬のスイスも本当に素敵なので、ぜひクリスマスマーケットに重なるように訪れてみてください。
スイスのクリスマスはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!
1. いつ頃からクリスマスを意識するのか?
2. Advent Calender アドヴェントカレンダー
3. Weihnachtsmarkt クリスマスマーケット
4. クリスマスマーケットのおすすめドリンク!
5. クリスマスの過ごしかた
6. クリスマスの食事