インド人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

あなたはインド人の名前をどのぐらいご存知ですか?日本で有名なインド人と言えば、「マハトマ・ガンディー」や「タイガー・ジェット・シン」が挙げられるでしょう。もちろん、後者は芸名ですが、インド人の名前にはさまざまな意味が含まれています。インドでは日本と違い名づけにも地域差が多く、全国的な「人気の名前ランキング」のようなものは存在しません。

そこで今回は、インド在住6年の筆者が、自身の実感として多いと感じた名前を例に、インド人の名前について7つのポイントにまとめましたのでご紹介します。

 

インド人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

 

1. 名前の付け方

インド人の人生を語る上で、占いは切っても切れないものです。赤ちゃんの名づけも、占いから始まることが多くあります。赤ちゃんが生まれると、まずは秒までの生年月日と出生の場所を元に、その家庭のかかりつけ占い師に運命を見てもらいます。そして、赤ちゃんにつける名前について、占い師からアドバイスをもらうのです。

名付け方としては、そのままズバリ名前を指定されることもありますが、「この字を入れたほうが良い」とか、「おじいさんから一字入れるように」といったアドバイスの場合もあります。それを元に、家族で名づけを行います。

 

2. 男性に多い名前

日本には「○○男」や「○○也」など、男性によく用いられる止め字があります。同じようなものがインドにもあり、名前を見ただけで男性だと判断がつきます。例えば、「○○sh」や「○○eep」がそうです。

・Rajesh(ラジェッシュ)
・Satish(サティッシュ)
・Prakash(プラカッシュ)
・Rajeep(ラジープ)
・Sanjeep(サンジープ)
・Pradeep(プラディープ)

 

3. 女性に多い名前

インド人女性の名前は、日本人にもわかりやすい、意味のある名前が多くあります。

・Deepika(ディピカ)…小さな光。灯り
・Pooja(プージャ)…祈祷
・Neha(ネハ)・・・愛情
・Asha(アーシャ)・・・希望

上記の名前を日本名に置き換えるなら、「あかり」・「いのり」・「あい」・「のぞみ」と言ったところでしょうか。

 

4. 神様の名前は人気!

インド人の名前と日本人の名前で1番違う点は、インド人は神様関係の名前の人が多いということでしょう。

・Ganesh(ガネッシュ)・・・学問と商売の神・ガネーシャが由来
・Ramesh(ラメッシュ)・・・インドの神話ラーマ・ヤーナのラーマ神が由来
・Laksmi(ラクシュミー)・・・美の女神・ラクシュミーが由来

 

5. インドは多宗教の国。宗教による名前の違い

インドは他宗教の国です。インド人の約8割はヒンドゥー教徒ですが、イスラム教徒やキリスト教徒が多い地域もあります。先ほどまで挙げた名前は、主にヒンドゥー教徒に人気のものでしたが、それぞれの宗教で特徴的な名前を持つ人も多いのです。

▼イスラム教
・Ali(アリ)
・Mohammad(モハンマド)

ヒンディー語由来の名前を持つイスラム教徒の男性もいますが、上記のようなイスラム教で典型的な名前を持つ人も多くいます。特に上記の2つは、イスラム教徒の男性に人気の名前です。

▼キリスト教
・Peter(ピーター)
・Paul(ポール)
・Jessica(ジェシカ)
・Lina(リナ)

イスラム教徒と同じく、キリスト教徒の中にもヒンディー語由来の名前を持つ人も多くいます。けれども、キリスト教由来の名前を名乗る人もいるのです。

なお、インドの宗教事情については以下で特集していますので、合わせて読んでみてください。

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6. 姓を尋ねるのはマナー違反?カースト制度と名前の関係

インドに「カースト制度」があることは、日本人でも多くの方がご存知かと思います。カースト制度は社会的身分制度のことです。現在カースト制度は廃止されていますが、インド人同士の付き合いの中にはいまだ根強く残るものになっています

インド人の姓は「どの身分に属する一族なのか」を表しており、インド人の多くはあまり姓を名乗りたがりません。逆に、名前を尋ねたときにフルネームで答えるような人は、恐らく位の高い姓を持つ人物なのでしょう。

また、名前を名乗るときに「Akshay Kumar(アクシャイ・クマール)」のように、姓にあたるところに「Kumar」と付けるインド人も多くいます。インドを訪れると、インド人に名前を聞くたびに「Kumar」と名乗る人ばかりなので、「Kumar」はインド人にとってポピュラーな姓なのだと勘違いする方もいらっしゃいます。実は「Kumar」は、ミドルネームにあたるもので、姓を名乗っている訳ではないのです。

姓を言いたくないインド人にとって、ミドルネームまでしか名乗らないのは普通のことです。インド人に無理やり姓を尋ねるのは、やめておくのが良いでしょう。

なお、インド社会と多言語文化については上記と密接に繋がっています。以下に詳しく解説していますので、ぜひ一読ください。

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7. 宗教と姓の関係

ファーストネームでも宗教による違いがあるように、姓ももちろん宗教によって違います。名乗っている姓によって、宗教までわかってしまうのです。

例えば、イスラム教徒に多い姓は「Khan(カーン)」です。ボリウッド映画の人気俳優に、「Shah Rukh Khan(シャー・ルク・カーン)」・「Salman Khan(サルマン・カーン)」・「Aamir Khan(アミール・カーン)」という3名がいます。彼らは「三大カーン」などと呼ばれていますが、いずれもイスラム教徒です。

また、ジャイナ教徒に多いのが、「Jain(ジェイン)」という姓です。彼らはカースト制度の中で金融業や宝石商などに携わっていた影響で、現在も資産を持つ人が多いのです。先に挙げた「タイガー・ジェット・シン」の「Singh(シン)」は、シーク教徒に多い姓です。シーク教徒の男性は、頭にターバンを巻く習慣があります。屈強な人が多く、カースト制度の中では軍人でした。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回は、インド人の名前についていくつかのポイントにまとめてご紹介しました。カースト制度や宗教はインド人の中のしこりとして根深く残っており、名前についても日本人にはなかなか馴染みのない面があります。名前やその由来など、相手が言いたがらない場合には、深く詮索しないことをおすすめします。

 

インド人の名前について7つのポイントでまとめてみた!

1. 名前の付け方
2. 男性に多い名前
3. 女性に多い名前
4. 神様の名前は人気!
5. インドは多宗教の国。宗教による名前の違い
6. 姓を尋ねるのはマナー違反?カースト制度と名前の関係
7. 宗教と姓の関係

 


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